情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス 情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス
コンシューマサービス温故知新
日時:3月19日(木曜日)14:40-17:10
会場:第1イベント会場(百周年時計台記念館 1F 百周年記念ホール)
【セッション概要】日本で最初に成功したコンシューマサービスは,NTTドコモのiモードサービスだった.携帯電話,移動通信網,コンテンツサーバを垂直統合したビジネスモデルは,当時のインターネットの常識から考えると画期的であり,世界的にも大きな注目を集めた.海外では,アップルが,iモードの成功に影響を受けたと考えられる,iPhone,iPadなどのコンシューマデバイスと,App Storeなどのコンシューマサービスを垂直統合したビジネスモデルで大きな成功を収めた.フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行とともに,携帯電話メーカ,移動通信事業者,サービス事業者が独立してビジネスを展開する水平分業型のビジネスモデルが主流となりつつある.その流れの中で,LINEは,サービス開始以来,世界で5億人以上のユーザを獲得し,大きな成功を収めた.近年,ウェアラブルデバイスなどの新しいコンシューマデバイスとそのサービスが大きな注目を集めている.本セッションでは,過去の大きな成功を収めたコンシューマ業界を代表する方々,ウェアラブルデバイスの第一人者の方に,基調講演して頂くとともに,過去,現在の成功事例を踏まえ,今後のコンシューマサービス,コンシューマデバイスの展望について,パネルディスカッションを行う.
司会:石川 憲洋 (駒澤大学 グローバル・メディア・スタディーズ学部 教授)
【略歴】日本電信電話公社(現NTT)を経て,1999年NTTドコモ入社.2010年4月より駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授.博士(情報学).モバイルインターネット,ユビキタスコンピューティング,ホームネットワークなどの研究,標準化に従事.情報処理学会業績賞などを受賞.コンシューマ・システム&デバイス(CDS)研究会主査.電子情報通信学会,ACM,IEEE各会員.
14:40-15:10 講演(1) コミュニケーションサービスが企業と消費者に与える可能性
田端 信太郎 (LINE株式会社 上級執行役員 法人ビジネス担当)
【講演概要】「LINE」は日本からグローバルサービスへ,メッセンジャーサービスからユーザーの皆様の生活の一部を担う「LIFEプラットフォーム」へと大きく飛躍を遂げてまいりました.本講演では,LINEというコミュニケーションサービスがビジネスやマーケティングという視点からコンシューマーへ与える影響や可能性についてお話させていただきます.
【略歴】1999年3月慶應義塾大学経済学部卒業.(株)リクルートにて,フリーマガジン「R25」の立上げを行い,創刊後は,広告責任者を務める.その後,(株)ライブドアにて,ライブドアニュースの責任者を経て,執行役員メディア事業部長に.2010年5月には,コンデネット・ジェーピーにて,カントリーマネージャーに就任.ウェブ部門を統括.2012年6月NHN Japan(株)(2013年4月LINE(株)に商号変更)執行役員に就任.広告事業部門を統括.2014年4月,LINE(株)上級執行役員法人ビジネス担当に就任.法人ビジネス全般を統括.現職.
 
15:10-15:40 講演(2) ウェアラブルコンピューティング研究14年
寺田 努 (神戸大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 准教授)
【講演概要】ここ数年,Google GlassやApple watchなどウェアラブルデバイスが注目を集め,「ウェアラブル」が盛り上がっている.一方,我々は10年以上前からウェアラブルコンピューティングの可能性を感じ,当時のハードウェア制約の中でさまざまな取り組みを行ってきた.本講演では過去10年から最近にかけてのウェアラブル機器の活用事例を紹介しながら,今後の展望について述べる.
【略歴】2000年大阪大学院工学研究科博士後期課程退学.同年より大阪大学サイバーメディアセンター助手.2005年より同講師. 2007年神戸大学大学院工学研究科准教授.現在に至る.NPO法人ウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事,NECインターネットシステム研究所客員研究員,英国ランカスター大学客員研究員,三菱電機先端技術総合研究所嘱託研究員,IPA未踏クリエータ,ATR客員研究員,JSTさきがけ研究員などを兼務.博士(工学).
 
15:40-16:10 講演(3) ファイナルファンタジーの制作と歴史
橋本 真司 (株式会社スクウェア•エニックス 第3ビジネス・ディビジョン コーポレート・エグゼクティブ)
【講演概要】2012年にファイナルファンタジーが生まれてから25周年となりました.今回は,「ファイナルファンタジーのタイトルの変遷」(ファイナルファンタジー1~ファイナルファンタジー15までの歴史的変遷)と「プラットフォームの戦略」,また「開発の規模」についてお話させていただきます.
【略歴】1958年5月生まれ.1983年4月(株)バンダイ入社.1995年4月(株)スクウェア(現:スクウェア・エニックス)入社.1998年7月 執行役員.2003年4月(株)スクウェア・エニックス 執行役員.2005年4月コーポレート・エグゼクティブ(現任).2009年10月スクウェア・エニックス・ホールディングス 専務執行役員(現任).主な作品:「ファイナルファンタジーVIII」プロデューサー.「ファイナルファンタジーIX」プロデューサー.「キングダム ハーツ シリーズ」エグゼクティブ プロデューサー.「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」COプロデューサー.「FRONT MISSION EVOLVED」プロデューサー.「ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII」 プロデューサー.
 
16:10-16:40 講演(4) iモードサービスとそのコンシューマーサービスに与えた影響
夏野 剛 (慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授)
【講演概要】一般に「ガラパゴス」と呼ばれる日本独自の技術発展の典型にiモードサービス及び携帯電話が上げられる.確かに2000年代前半においては,世界の中でも日本でだけ,インターネット接続携帯電話が全面普及し,多くのユーザーやコンテンツ事業者にとって新しい経済圏を作り出した.2000年代後半になって,メディアや政府がこのガラパゴス状況を是正するためと称して携帯電話事業者のビジネスモデルに介入し,2008年にスマートフォンであるiPhoneが日本に導入されたことと相まって,日本独自のガラケーは世界共通のスマホに取って代わられることになった.しかし,機能やビジネスモデルを分析してみると,現在のスマホの源流は,2000年代前半に欧米で普及していた音声中心の電話機ではなく,むしろiモード携帯機であるという皮肉な現象も見て取れる.本セッションでは,iモード,iPhone,Androidとその他の携帯電話機についての比較を行い,コンシューマーサービスのトレンドの変化とそのものづくりに与えたインパクト,そしてビジネスモデルについて解説する.
【略歴】1988年早稲田大学政治経済学部卒,東京ガス入社.95年ペンシルバニア大学経営大学院(ウォートンスクール)卒.ベンチャー企業副社長を経て,97年NTTドコモへ.99年に「iモード」,その後「iアプリ」「デコメ」「キッズケータイ」「おサイフケータイ」などの多くのサービスを立ち上げた.2005年執行役員,08年にドコモ退社.現在は慶應大学の特別招聘教授のほか,(株)KADOKAWA・DWANGO含め上場企業6社の取締役を兼任する.2014年一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与へ就任.
 
16:40-17:10 パネル討論 コンシューマサービス,コンシューマデバイスの今後の展望
【討論概要】基調講演でご講演頂いた,コンシューマサービスの過去,現在の成功事例,コンシューマデバイスの動向を踏まえ,今後のコンシューマサービス,コンシューマデバイスの展望について,会場からの質疑応答も含めて,パネルディスカッションを行う.
パネル司会:石川 憲洋 (駒澤大学 グローバル・メディア・スタディーズ学部 教授)
【略歴】日本電信電話公社(現NTT)を経て,1999年NTTドコモ入社.2010年4月より駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授.博士(情報学).モバイルインターネット,ユビキタスコンピューティング,ホームネットワークなどの研究,標準化に従事.情報処理学会業績賞などを受賞.コンシューマ・システム&デバイス(CDS)研究会主査.電子情報通信学会,ACM,IEEE各会員.
パネリスト:夏野 剛 (慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授)
【略歴】1988年早稲田大学政治経済学部卒,東京ガス入社.95年ペンシルバニア大学経営大学院(ウォートンスクール)卒.ベンチャー企業副社長を経て,97年NTTドコモへ.99年に「iモード」,その後「iアプリ」「デコメ」「キッズケータイ」「おサイフケータイ」などの多くのサービスを立ち上げた.2005年執行役員,08年にドコモ退社.現在は慶應大学の特別招聘教授のほか,(株)KADOKAWA・DWANGO含め上場企業6社の取締役を兼任する.2014年一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与へ就任.
パネリスト:田端 信太郎 (LINE株式会社 上級執行役員 法人ビジネス担当)
【略歴】1999年3月慶應義塾大学経済学部卒業.(株)リクルートにて,フリーマガジン「R25」の立上げを行い,創刊後は,広告責任者を務める.その後,(株)ライブドアにて,ライブドアニュースの責任者を経て,執行役員メディア事業部長に.2010年5月には,コンデネット・ジェーピーにて,カントリーマネージャーに就任.ウェブ部門を統括.2012年6月NHN Japan(株)(2013年4月LINE(株)に商号変更)執行役員に就任.広告事業部門を統括.2014年4月,LINE(株)上級執行役員法人ビジネス担当に就任.法人ビジネス全般を統括.現職.
パネリスト:橋本 真司 (株式会社スクウェア•エニックス 第3ビジネス・ディビジョン コーポレート・エグゼクティブ)
【略歴】1958年5月生まれ.1983年4月(株)バンダイ入社.1995年4月(株)スクウェア(現:スクウェア・エニックス)入社.1998年7月 執行役員.2003年4月(株)スクウェア・エニックス 執行役員.2005年4月コーポレート・エグゼクティブ(現任).2009年10月スクウェア・エニックス・ホールディングス 専務執行役員(現任).主な作品:「ファイナルファンタジーVIII」プロデューサー.「ファイナルファンタジーIX」プロデューサー.「キングダム ハーツ シリーズ」エグゼクティブ プロデューサー.「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」COプロデューサー.「FRONT MISSION EVOLVED」プロデューサー.「ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII」 プロデューサー.
パネリスト:寺田 努 (神戸大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 准教授)
【略歴】2000年大阪大学院工学研究科博士後期課程退学.同年より大阪大学サイバーメディアセンター助手.2005年より同講師.2007年神戸大学大学院工学研究科准教授.現在に至る.NPO法人ウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事,NECインターネットシステム研究所客員研究員,英国ランカスター大学客員研究員,三菱電機先端技術総合研究所嘱託研究員,IPA未踏クリエータ,ATR客員研究員,JSTさきがけ研究員などを兼務.博士(工学).