情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス 情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス
デジタルプラクティスライブ
日時:3月19日(木曜日)9:30-12:00
会場:第4イベント会場(吉田南総合館 2F 共北26)
【セッション概要】実務者向け論文誌デジタルプラクティスでは,毎号特集テーマを定め,招待論文と公募論文及びインタビュー記事という構成で編集している.本企画では,この構成を講演+パネル討論という形式でライブで再現する.テーマは最近のデジタルプラクティスの特集テーマから関心の高かったスマートシティを取り上げる.
司会:住田 一男 (東芝リサーチ・コンサルティング株式会社 シニアフェロー)
【略歴】1982年3月東工大大学院総合理工学研究科修士課程修了.同年4月(株)東芝入社.研究開発センター知識メディアラボラトリー室長を経て,2013年4月より現職.東工大客員助教授(1999〜2004).東京外大客員教授(2006),東工大連携教授(2012〜).人工知能学会副会長(2009〜10).本会監事(2010〜11).デジタルプラクティス編集委員会委員(2013〜).本会フェロー.博士(工学).自然言語処理・音声翻訳等の研究に従事.
9:30-9:45 講演(1) 北九州スマートコミュニティ創造事業
荒牧 敬次 (技術研究組合北九州スマートコミュニティ推進機構 専務理事)
【講演概要】日本の近代産業発祥の地である北九州市八幡東区東田地区にて,2010年度からスタートした「北九州スマートコミュニティ創造事業」.CEMS/BEMS/HEMSおよび水素等々の各種の技術実証とともに,2012年度からは地域全体の電力の逼迫状態により,多段階のクリティカルピークプライシング(CPP)にてダイナミックに電力料金を変動させる日本初の本格的ダイナミックプライシング社会実証を開始.その後も,クリティカルボトムプライシング(CBP)やインセンティブプログラム等,各種のデマンドレスポンス社会実証を実施している.これらの実証を通じて明らかとなった課題を含め,これまでに検証された成果を発表する.
【略歴】技術研究組合北九州スマートコミュニティ推進機構 専務理事.日本アイ・ビー・エム(株)事業部長から,2011年に北九州市環境局へ出向し北九州スマートコミュニティ創造事業のプロジェクトエグゼクティブとして,2013年より現職にて事業に従事.
 
9:45-10:00 講演(2) スマート・キャンパスのリアルタイム電力監視システム:設計・実装・運用・課題
落合 秀也 (東京大学 大学院情報理工学系研究科 講師)
【講演概要】この講演では,東京大学のキャンパスに展開されている電力監視システムを解説する.東京大学では,2011年に5キャンパスを統合する5万kWのリアルタイム電力監視システムの運用を開始し,2014年からは,工学部エリアに於ける棟レベルのリアルタイム電力監視を開始した.またピークカット制御への取り組みも実施している.これらの運用を踏まえた,今後の可能性や課題などに関する議論を行う.
【略歴】2011年東京大学大学院・情報理工学系研究科博士課程了.同年同大学大規模システム設計教育研究センター助教を務め,2014年9月より同大学院・情報理工学系研究科・講師現在に至る.博士(情報理工学,東京大学).設備ネットワーク,広域センサネットワーク,遅延耐性ネットワークの研究の他,IEEE1888,ASHAREの設備ネットワーク標準化活動に従事.
 
10:00-10:15 講演(3) スマートシティ向けIT基盤における異種システム連携機能
山本 秀典 (株式会社日立製作所 横浜研究所 主任研究員)
【講演概要】スマートシティを実現するための,スマートシティ向けIT基盤を開発している.上記のスマートシティ向けIT基盤を適用するスマートグリッド環境において異なる目的・業務のシステムもしくは異なる事業者のシステムとの連携によるユースケースと要件を挙げて,これらに対応する異種システム連携機能について述べる.本異種システム連携機能は,各々異なる標準規格に準拠する個々の制御システムと連携するための制御系連携と,異なる事業者等のセンタシステム間で連携するためのセンタ間連携にて構成される.特にこれらの機能の開発時及び実践時に直面した課題への対応を通じて得られたプラクティスを紹介する.
【略歴】2001年東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学修士課程修了.同年(株)日立製作所入社.同社横浜研究所にて,産業,電力,鉄道,スマートグリッド等の情報制御システムを対象とした研究開発に従事.
 
10:15-10:30 講演(4) 横浜スマートシティプロジェクトにおけるビル群協調型デマンドレスポンス実証実験
愛須 英之 (株式会社東芝 研究開発センター 研究主幹)
【講演概要】講演者らは,経済産業省の横浜スマートシティプロジェクトに参画し,複数のビルを相手にデマンドレスポンスの大規模な社会実証実験を進めている.本講演では,アグリゲータが多数のビル群を束ねて管理するためのプラットフォームとなる統合BEMSの概要と,過去4回に渡る実証実験の概要について簡単に述べる.さらに,多数のステークホルダーが同時参加する大規模な社会システムの機能検証の難しさなど,実証実験を通して得られた知見と今後に向けた取り組みも紹介する.
【略歴】(株)東芝研究開発センター研究主幹.最適化や人工知能応用システムの研究開発に従事.電気学会,計測自動制御学会,日本知能情報ファジイ学会各会員.
 
10:30-10:45 講演(5) コミュニティ参加型サービスのシステムデザインとマネジメント
神武 直彦 (慶應義塾大学 システムデザイン・マネジメント研究科 准教授)
【講演概要】2011年,東日本大震災およびそれに伴って大規模に進められた計画停電を経て,東京電力管内では電力供給の低下により広く節電を行うことが求められた.それに対し,我々は,スマートフォンなどの情報端末を通じて参加者の節電の取り組み情報を収集し,収集した情報を分析し,各電力管内での電力使用率などの情報と共にスマートフォンやウェブサイトで可視化するシステムを構築し,実証実験「停電回避プロジェクト」を夏の電力需要が増加する2011年7月1日から100日間実施した.本講演では,そこで得た知見を報告するとともに,そこで得た知見を適用したヘルスケアサービスなど,コミュニティ参加型サービスのシステムデザインとマネジメントについて論じる.
【略歴】大学卒業後,宇宙開発事業団入社.H-IIおよびH-IIAロケットの研究開発と打上げに従事.欧州宇宙機関(ESA)研究員を経て,宇宙航空研究開発機構主任開発員.国際宇宙ステーションや人工衛星に搭載するソフトウェアの独立検証・有効性確認に関するアメリカ航空宇宙局(NASA),ESAとの国際連携に従事.2011年度より現職.宇宙システム,ユビキタスシステム,コミュニティシステム,防災システムなど社会技術システムのデザインとマネジメントに関する研究教育に従事.米国PMI PMP.アジア工科大学大学院客員准教授.博士(政策・メディア).
 
10:45-11:50 パネル討論 スマートシティの今後の展望 〜実証実験を踏まえて〜
【討論概要】スマートシティの実証実験に参画した当事者が実証実験の経験を踏まえ,スマートシティの今後のあり方,スマートシティ事業成功のためのポイントについて議論する.
パネル司会:日高 一義 (東京工業大学 イノベーションマネジメント研究科 教授)
【略歴】1984年東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了.同年日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所入所.最適化技術,離散アルゴリズム,数理解析技術,ビジネス・ソリューション,計算組織論などの研究プロジェクトの指揮にあたる.IBM Research ワトソン研究所の戦略部門での海外勤務を経て,東京基礎研究所ビジネス・サービス・リサーチ担当部長に就任.2009年8月北陸先端科学技術大学院大学教授.文部科学省科学技術政策研究所客員研究官.サービス学会理事,IEEE会員,情報処理学会会員,日本オペレーションズ・リサーチ学会会員,経営情報学会会員.2010年10月より現職.博士(理学).
パネル司会:神竹 孝至 (株式会社東芝 研究開発センター 首席技監)
【略歴】1980年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了.同年4月東京芝浦電気(株)(現在(株)東芝)入社,総合研究所(現在研究開発センター)にて通信用ディジタル信号処理の研究に従事.ATM,MPLS,IPsec,MobileIPの研究をリード.2002年コアテクノロジーセンター所長,2004年デジタルメディアネットワーク社統括技師長,2006年研究開発センター副所長,2009年研究開発センター首席技監,2010年より執行役常務待遇.
パネリスト:荒牧 敬次 (技術研究組合北九州スマートコミュニティ推進機構 専務理事)
【略歴】技術研究組合北九州スマートコミュニティ推進機構 専務理事.日本アイ・ビー・エム(株)事業部長から,2011年に北九州市環境局へ出向し北九州スマートコミュニティ創造事業のプロジェクトエグゼクティブとして,2013年より現職にて事業に従事.
パネリスト:落合 秀也 (東京大学 大学院情報理工学系研究科 講師)
【略歴】2011年東京大学大学院・情報理工学系研究科博士課程了.同年同大学大規模システム設計教育研究センター助教を務め,2014年9月より同大学院・情報理工学系研究科・講師現在に至る.博士(情報理工学,東京大学).設備ネットワーク,広域センサネットワーク,遅延耐性ネットワークの研究の他,IEEE1888,ASHAREの設備ネットワーク標準化活動に従事.
パネリスト:山本 秀典 (株式会社日立製作所 横浜研究所 主任研究員)
【略歴】2001年東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学修士課程修了.同年(株)日立製作所入社.同社横浜研究所にて,産業,電力,鉄道,スマートグリッド等の情報制御システムを対象とした研究開発に従事.
パネリスト:愛須 英之 (株式会社東芝 研究開発センター 研究主幹)
【略歴】(株)東芝研究開発センター研究主幹.最適化や人工知能応用システムの研究開発に従事.電気学会,計測自動制御学会,日本知能情報ファジイ学会各会員.
パネリスト:神武 直彦 (慶應義塾大学 システムデザイン・マネジメント研究科 准教授)
【略歴】大学卒業後,宇宙開発事業団入社.H-IIおよびH-IIAロケットの研究開発と打上げに従事.欧州宇宙機関(ESA)研究員を経て,宇宙航空研究開発機構主任開発員.国際宇宙ステーションや人工衛星に搭載するソフトウェアの独立検証・有効性確認に関するアメリカ航空宇宙局(NASA),ESAとの国際連携に従事.2011年度より現職.宇宙システム,ユビキタスシステム,コミュニティシステム,防災システムなど社会技術システムのデザインとマネジメントに関する研究教育に従事.米国PMI PMP.アジア工科大学大学院客員准教授.博士(政策・メディア).
11:50-12:00 DPの紹介およびクロージング
平田 圭二 (公立はこだて未来大学 複雑系知能学科 教授)
【略歴】1987年東京大学大学院工学系研究科情報工学専門課程博士課程修了.工学博士.同年NTT基礎研究所入所.1990〜93年(財)新世代コンピュータ技術開発機構(ICOT)に出向.2011年より公立はこだて未来大学教授.1993年音楽情報科学研究会初代主査.2005〜07年および2011〜13年本会理事.2010年よりデジタルプラクティス誌編集委員長.本会フェロー,シニア会員.現在,音楽情報学に加え,うつ病家族看護者のICT支援,スマートシティの研究に従事.