情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス 情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス
〜コンピュータパイオニアが語る〜「私の詩と真実」
日時:3月17日(火曜日)10:00-12:00
会場:第5イベント会場(吉田南総合館 2F 共北27)
【セッション概要】情報処理学会歴史特別委員会ではオーラルヒストリのインタビューを進めているが,大先輩のお話は毎回大変示唆に富み印象的なので,これを広く会員の方々,特に若い世代の会員に直接お聞かせできないものかと検討してきた.そして海外の事例なども参考にし,コンピュータパイオニアあるいは情報処理学会会長経験者,またはそれらに相当する経歴の大先輩をお招きして,若い頃の研究生活の思い出や今の若い世代に伝えたい経験談などをお話頂くシンポジウムを企画した.なお本シンポジウムは第70回大会から開催しており今回が第8回目となる.
司会:浦城 恒雄 (東京工科大学 名誉教授)
【略歴】1959年東京大学理学部物理学科卒業.1991年日立製作所研究開発推進本部長.1995年同所技師長.1999年東京工科大学教授.2007年同大名誉教授.
10:00-11:00 講演(1) デジタル万能マシン
矢島 脩三 (京都大学 名誉教授)
【講演概要】学会設立の1960年に開催された第1回全国大会で発表した「ディジタル型万能電子計算機KDC-I」の設計の思い出や,「動作マージン直視装置(論理テスター)」や「配線プログラム」などを振り返る.さらに,大学の大型計算機センターを創設するにあたり,1966年に渡米して,米国コンピュータ事情を視察したので,その時の情景を紹介したい.次に,コンピュータの論理回路に2端子論理素子が復活する話題があるので,2端子ならではの,幻の「双方向論理回路」を紹介したい.国際交流については,1967年に,Bangkokの国連ECAFEにおいて,計算センター創設のコンサルタントを務めた経験などを話したい.
【略歴】1956年京大卒.同大学院修了.1971年情報工学科教授.1997年京大名誉教授.関大総合情報学研究センター長などを歴任.1960年京都大学ディジタル型万能電子計算機第1号KDC-Iを設計開発.1971年光ファイバ計算機ネットワークを開発.論理回路理論,2分決定グラフなどを研究.本学会1979年理事,1980年常務理事,IFIP国内委員会委員長.コンピュータパイオニア.電子情報通信学会フェロー.IEEE Life Fellow.
 
11:00-12:00 講演(2) コンピュータ教育創造と普及の歩み
長谷川 靖子 (京都コンピュータ学院 学院長)
【講演概要】1963年日本におけるコンピュータ黎明期に学術研究者を対象に,日本初のコンピュータ利用講習会を実施.つづいて,日本初のプロ養成の全日制京都コンピュータ学院を創立.以来,コンピュータの急速な進化に対応して,先駆的・革新的教育を実現.パソコン時代に入るやPC3000台を購入して学生に1人1台無料貸与(世界初).年代が進むにつれ,次々と不使用になったPCも加えて整備された合計3000台のPCを1989年より発展途上国に寄贈,必要あれば現地教員養成も加えて,コンピュータ教育支援活動を展開.(現在まで25ヶ国)(世界初).2003年情報系の専門職大学院の第一号として,京都情報大学院大学を創立.2009年情報処理学会より京都コンピュータ学院のコンピュータ資料館が「分散コンピュータ博物館」に認定される.現在まで,5機種が情報処理技術遺産に認定されている.現在,日本唯一の実物コンピュータ博物館設立に向かって取り組み中.
【略歴】京都大学理学部宇宙物理学科卒業.同大学院博士課程単位修得.東京大学・全国大学共同利用大型計算機センター開設時に,テストランに参加,同センタープログラミング指導員.京都大学工学部計算機センタープログラミング指導員.京都ソフトウェア研究会創立・会長.京都コンピュータ学院創立.京都学園大学助教授.米国ペンシルベニア州立大学客員研究者.タイ王国教育賞,タイ王国王妃賞,その他,ガーナ・スリランカ・ペルーなど,支援各国より表彰・感謝状を授与される.2003年京都情報大学院大学創立・初代理事長.2006年財団法人日本ITU協会より国際協力特別賞受賞.2011年情報処理学会より「情報処理技術遺産保存への貢献」に対して感謝状を授与される.