情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス 情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス
オリンピックに見る日本のICT技術
日時:3月19日(木曜日)9:30-12:00
会場:第1イベント会場(百周年時計台記念館 1F 百周年記念ホール)
【セッション概要】情報処理学会特集号に連動した形のイベントとして,今年度の目玉であるオリンピック特集号に焦点をあて,特集号では語りきれなかったICT技術について講演を行う.特に選手から見たICT技術に注目し,選手を支える技術として紹介する.学会誌の特集号と合わせて聴講する事で,2020年に東京で開催されるオリンピックに向け,より幅広い情報を学会員に伝えてオリンピックへの関心を高めることでオリンピック成功に貢献する.
司会:森 信一郎 (株式会社富士通研究所 ヒューマンセントリック研究所ヒューマンソリューション研究部 主幹研究員)
【略歴】1987年関西大学工学部卒業.同年富士通(株)入社.2003年(株)富士通研究所に異動.2011年静岡大学大学院博士後期課程修了.半導体製造ロボットの開発,GPS携帯端末関連の開発,次世代携帯電話の開発,仮想世界/オーギュメンティッドリアリティに関する研究を経て,現在,高精度測位技術の研究に従事.博士(情報学).
9:30-9:35 オープニング
9:35-10:25 講演(1) 選手,コーチをサポートするICT技術(映像システム編)
三浦 智和 (独立行政法人日本スポーツ振興センター 国立スポーツ科学センター スポーツ科学研究部 専門職)
【講演概要】オリンピックでのメダル獲得を目指すトップスポーツの競技現場では,トレーニングの中での技術や演技の改善,対戦相手の研究などで映像を活用することが多い.本講演では,国立スポーツ科学センターで開発し,競技現場で日々活用されているトレーニング映像即時フィードバックシステムや,スポーツ映像データベースシステム(SMART edge)について,2012ロンドン,2014ソチまでの競技団体の活用事例,2016リオ,2018平昌へ向けた現在の取り組みを紹介いたします.また2020東京へ向け,トップ選手やトップコーチにはどんなICT技術が有用なのか,出席者のみなさんにも一緒になって考えていただけるセッションを目指します.
【略歴】1995年長野高専電子情報工学科卒.1998年長野冬季オリンピックでは,当時オリンピック初のインターネットリザルトシステム構築プロジェクトへ参加.その後,シナノケンシ(株),信州大学総合情報センターを経て,現在,国立スポーツ科学センタースポーツ科学研究部専門職.高度情報処理技術者(ネットワークスペシャリスト).(公財)日本スケート連盟スピードスケート部門科学スタッフ(育成担当).(公財)全日本スキー連盟情報医科学部情報部会委員.
 
10:25-11:15 講演(2) スポーツ用義足の研究開発とアスリート支援
保原 浩明 (独立行政法人産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター 研究員)
【講演概要】炭素繊維強化プラスチック製のスポーツ用義足は下肢切断者の競技レベルを飛躍的に向上させ,ついにはオリンピックに出場する障害者アスリートが誕生した.一方,こうした義足の急速な進化とは裏腹に,日本人の義足スプリンターは世界から取り残されつつある.2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた国際競技力向上に対し,ICTはどのように貢献できるのか?当日はスポーツ用義足の成り立ちと機能を概説し,ICTを利用したスポーツ用義足の研究開発とアスリート支援策について発表する.
【略歴】2008年早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了.博士(人間科学).国立障害者リハビリテーションセンター研究所流動研究員,日本学術振興会特別研究員(PD),University of Maryland, Research Associateを経て,2013年より(独)産業技術総合研究所デジタルヒューマン工学研究センター研究員.2014年German Sport University Cologne, Visiting Scholar.スポーツ用義足の生体力学的評価およびランニング障害の予防に関する研究に従事.2013年に国際バイオメカニクス学会よりアジア人初のPromising Scientist Award を授与された.
 
11:15-11:55 講演(3) 選手を育てるICT技術(陸上競技 競歩編)
今村 文男 (富士通株式会社 インテグレーションサービス部門 ビジネスマネジメント本部 インテグレーションサービス人事部 担当:陸上スタッフ)
【講演概要】2020年に東京オリンピック開催が決まり,その東京オリンピックにおいて,男女マラソンについでメダル獲得有望種目として,競歩が挙げられている.本講演では,2012年ロンドンオリンピックまでの競歩種目における強化の概要や入賞へ向けた取り組みをご紹介しながら,競技力向上のためにどのようにICTを活用しているか,強化現場における具体的な活用例やデータを示しながら,2020年東京オリンピックにおけるメダル獲得を目指した競歩種目の選手を育てるICT技術の活用についてご紹介します.
【略歴】順天堂大学大学院スポーツ健康科学博士前期課程を修了し,現在,富士通(株) 陸上競技部コーチングスタッフ.2012年ロンドンオリンピック,2013年モスクワ世界陸上,2014年仁川アジア大会など日本代表競歩コーチを務める.主な役職として,公益財団法人 日本陸上競技連盟強化員会 競歩部長,日本実業団陸上競技連合 競歩部長,日本学生陸上競技連盟強化委員など.現役時の専門種目は50km競歩.1992年バルセロナオリンピック,2000年シドニーオリンピック出場.世界選手権は,1991年東京大会7位入賞,97年アテネ大会6位入賞など.
 
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