情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス 情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス
弁護士と実務家が語るICTの落とし穴
日時:3月17日(火曜日)13:00-15:30
会場:第3イベント会場(吉田南総合館 2F 共北25)
【セッション概要】情報処理技術は目覚ましいスピードで進化しているが,現状の個人情報保護法,不正競争防止法,著作権,特許権等の法制度は技術革新のスピードに追いついていない.情報処理/情報通信の現場では,これらの法律上または契約上の問題が潜んでいるにもかかわらず,リスク要因への意識が低いことにより,気が付かないうちに落とし穴に陥ることが少なくない.本企画では,法律上のトラブル等落とし穴に陥った事例を経験している弁護士とソフトウェア開発,産学連携,ビッグデータ処理やクラウド等の新技術を扱う実務家とが,ICT時代におけるガバナンスの観点からリスク管理のあり方について議論を深めたい.
司会:高岡 詠子 (上智大学 理工学部情報理工学科 准教授)
【略歴】慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業,同大学大学院理工学研究科計算機科学専攻博士課程修了,博士(工学).千歳科学技術大学准教授等を経て,現在上智大学理工学部情報理工学科准教授,他に,国際基督教大学,明治学院大学非常勤講師,放送大学分担講師.データベースとWebアプリケーション,コンピュータと社会(教育・医療・環境)に興味を持つ.CE研究会運営委員,CE研幹事,初等中等教育委員会,論文誌編集委員,学会誌編集委員,代表会員,情報処理学会若手研究者の会幹事,コンピュータ編集委員会(TCE)編集委員, 山下記念研究賞受賞,2013年度学会活動貢献賞,主な著書:チューリングの計算理論入門,シャノンの情報理論入門(講談社ブルーバックス).
13:00-13:20 基調講演 ソフトウェア開発をめぐる法律問題
市毛 由美子 (のぞみ総合法律事務所 弁護士)
【講演概要】ICTの落とし穴の典型は,ソフトウェア開発を巡るトラブルである.そこで,ソフトウェア開発の各プロセスの中で,トラブル防止のためにどのような契約処理が望ましいかについて概観する.開発手法や開発段階に応じて,ベンダーやユーザーはどのような権利義務を負うのか,最近の裁判例で話題となったプロジェクト・マネジメント義務はどのようなものか,開発成果に関する知的財産権が,誰に(どの機関に)帰属し,その権利内容はどのようなものであるか,また,他人の権利を侵害しないためにはどのようなことに注意しなければならないのか等について解説する.
【略歴】弁護士(第二東京弁護士会所属).中央大学法学部卒業.日本アイ・ビー・エム(株)法務部にて企業内弁護士として勤務後,都内法律事務所を経てのぞみ総合法律事務所パートナー.コンピュータ関連(ソフトウェアを含む)の取引法,知的財産権,独占禁止法,コンプライアンス関連の統制環境整備,株主総会,資本政策その他会社法関連,人事労務管理,営業秘密・個人情報管理,ベンチャー企業における法務戦略支援,研究開発関連法務等を手がける.著書として「基礎から学ぶSEの法律知識」(共著・日経BP社)他.
 
13:20-13:40 基調講演 産学連携をめぐる法律問題
三尾 美枝子 (キューブM総合法律事務所 弁護士)
【講演概要】日本経済の発展のために,大学の知の活用の重要性が叫ばれて久しい.これまで大学をはじめとする関係者の努力もあって,産学連携活動も非常に充実してきたが,大学での研究成果や技術の帰属,特許法職務発明規程改正の動きと大学の立場,企業との共同研究と,学生の権利・秘密保持,学生の管理,大学における情報の秘密管理,著作権に関連する問題等々,まだまだ問題が山積している.そこで講演では,これまでの産学連携活動における大学の研究成果と技術移転に関する問題点,その他現在山積している様々な問題点を拾い上げて検証し,法律的な観点から解決策を探ってみたい.
【略歴】京都大学法学部卒業.東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了.第二東京弁護士会所属.内閣府知的財産戦略本部員,日本弁護士連合会知的財産センター事務局長他歴任,総務省情報通信審議会委員,一般社団法人IPTVフォーラム,同放送コンテンツ海外展開促進機構 BEAJ,同次世代放送推進フォーラム(NexTV-F),同オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構監事.一般民事事件を手がけるほか,知的財産,エンタテインメント関連,情報通信関連会社等に対するリーガルサポート,産学連携アドバイザーなどを主たる業務とする.
 
13:40-14:00 基調講演 クラウドとビッグデータをめぐる法律問題
平岡 敦 (たつき総合法律事務所 弁護士)
【講演概要】クラウドが情報システムのインフラとして当然のように使用される時代が到来して久しい.情報システムの開発業者は,AWS(Amazon Web Services)などのクラウドサービスをシステム構築の基盤として当然のように選択する.消費者も,日常のデータ交換や蓄積のためにDropBoxなどのクラウドサービスを利用している.一方でクラウドを巡る法律問題も多発している.クラウド上のデータ消失事故,クラウドを基盤とした情報システムの瑕疵,クラウド上に存在する個人情報やビッグデータの取扱いを巡る問題などである.これらクラウドを巡るトラブルを,法律及び裁判例がどのように扱っているのかについて概説する.
【略歴】弁護士(第二東京弁護士会所属).1990年早稲田大学第一文学部人文専修卒業.株式会社シーエーシー勤務を経て,2002年弁護士登録.たつき総合法律事務所パートナー.情報処理技術者試験試験委員.IT企業向けの助言・訴訟業務などを主たる業務としている.
 
14:00-15:30 パネル討論 ICTの落とし穴
【討論概要】基調講演では,3名の弁護士の方々に,ICTの現場で知っておくべき法律・契約の基礎知識について,それぞれ「ソフトウェア開発をめぐる法律問題」「産学連携をめぐる法律問題」「クラウドをめぐる法律問題」というタイトルで,ご講演いただきます.基調講演を踏まえて,講演者の弁護士さんに加え,実務家として,2名の情報系会社の社長,取締役の方々をお招きし,現場の解決課題について,パネリスト間での議論をしていただきます.更には会場からの質疑応答も受け付けて,全体での議論も行いたいと思いますので,ICTに関わる皆様,ぜひこの機会に足をお運びください.
パネル司会:高岡 詠子 (上智大学 理工学部情報理工学科 准教授)
【略歴】慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業,同大学大学院理工学研究科計算機科学専攻博士課程修了,博士(工学).千歳科学技術大学准教授等を経て,現在上智大学理工学部情報理工学科准教授,他に,国際基督教大学,明治学院大学非常勤講師,放送大学分担講師.データベースとWebアプリケーション,コンピュータと社会(教育・医療・環境)に興味を持つ.CE研究会運営委員,CE研幹事,初等中等教育委員会,論文誌編集委員,学会誌編集委員,代表会員,情報処理学会若手研究者の会幹事,コンピュータ編集委員会(TCE)編集委員, 山下記念研究賞受賞,2013年度学会活動貢献賞,主な著書:チューリングの計算理論入門,シャノンの情報理論入門(講談社ブルーバックス).
パネリスト:市毛 由美子 (のぞみ総合法律事務所 弁護士)
【略歴】弁護士(第二東京弁護士会所属).中央大学法学部卒業.日本アイ・ビー・エム(株)法務部にて企業内弁護士として勤務後,都内法律事務所を経てのぞみ総合法律事務所パートナー.コンピュータ関連(ソフトウェアを含む)の取引法,知的財産権,独占禁止法,コンプライアンス関連の統制環境整備,株主総会,資本政策その他会社法関連,人事労務管理,営業秘密・個人情報管理,ベンチャー企業における法務戦略支援,研究開発関連法務等を手がける.著書として「基礎から学ぶSEの法律知識」(共著・日経BP社)他.
パネリスト:三尾 美枝子 (キューブM総合法律事務所 弁護士)
【略歴】京都大学法学部卒業.東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了.第二東京弁護士会所属.内閣府知的財産戦略本部員,日本弁護士連合会知的財産センター事務局長他歴任,総務省情報通信審議会委員,一般社団法人IPTVフォーラム,同放送コンテンツ海外展開促進機構 BEAJ,同次世代放送推進フォーラム(NexTV-F),同オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構監事.一般民事事件を手がけるほか,知的財産,エンタテインメント関連,情報通信関連会社等に対するリーガルサポート,産学連携アドバイザーなどを主たる業務とする.
パネリスト:平岡 敦 (たつき総合法律事務所 弁護士)
【略歴】弁護士(第二東京弁護士会所属).1990年早稲田大学第一文学部人文専修卒業.株式会社シーエーシー勤務を経て,2002年弁護士登録.たつき総合法律事務所パートナー.情報処理技術者試験試験委員.IT企業向けの助言・訴訟業務などを主たる業務としている.
パネリスト:登 大遊 (ソフトイーサ株式会社 代表取締役/筑波大学 大学院システム情報工学研究科)
【略歴】ソフトウェア技術者兼経営者.専門は VPN(仮想プライベートネットワーク)などの通信技術を含めたシステムソフトウェア.2003年筑波大学第三学群情報学類入学.2003年度(独)情報処理推進機構 (IPA)未踏ソフトウェア創造事業に採択され,SoftEther VPN を開発.2004年に筑波大学内でソフトイーサ(株)を起業.2007年筑波大学大学院システム情報工学研究科博士前期課程入学,2013年同研究科博士後期課程進学.
パネリスト:稲垣 陽一 (株式会社きざしカンパニー 代表取締役専務CTO)
【略歴】1990年東京大学文学部言語学科卒業,(株)シーエーシー入社,技術研究室に配属.スタンフォード大学コンピュータサイエンス学科客員研究員(1996〜98),きざしサーチエンジンの研究開発を経て,2007年1月より(株)きざしカンパニー代表取締役専務CTOをつとめる.