情報処理学会 第77回全国大会講演要旨

近年，ガイドシステムによる鑑賞支援を導入する事例が増えている．しかし，屋内展示のものが多く，屋外展示に対応したものは少ない．そのため，野外美術館では作品鑑賞支援が十分に出来ずにいる．筆者らは野外美術館を対象に，来館者が楽しみながら作品を鑑賞して理解を深めるシステムを開発し，運用を行っていたが，システム利用の伸び悩みが課題となった．そこで，本研究では隣接している道の駅から美術館への誘客や美術館の滞在時間と作品閲覧数を増加させるために，人間中心設計のプロセスに基づき，観光客の要求事項を反映したシステム開発を実施した．本稿ではシステム設計開発・長期運用の経過と美術館側の評価から，本研究の成果について考察する．