情報処理学会 第77回全国大会講演要旨

本論文では，実世界上の剛体モデルの部分的な運動を，モデルから取得した点群に対する位置合わせ処理を行うことで推定する手法を提案する．深度カメラを用い，視点を固定させた状態で実世界における剛体モデルの距離画像をモデルの運動前後で複数取得し，取得した距離画像から剛体モデルの三次元点群データを抽出したのち，ICPアルゴリズムを用いた位置合わせ処理を抽出した複数の点群データに対して施す．位置合わせ処理を行うことで，モデルの運動上変化のない部分に対応する点群は，他の点群上の対応点と座標が一致する．逆に変化のある部分に対応する点群は対応点との距離が大きくなる．そこで，対応点との距離がある閾値以上の点群に対してのみ再度位置合わせ処理を行い，導出された剛体変換行列からモデルの変化した部分の運動を推定する．