情報処理学会 第77回全国大会講演要旨

近年，語や文からポジティブ/ネガティブのような極性を推定する研究が盛んである．一つの極性では感情の解釈が不十分であるという考えがあり，複数の極性から構築した感情辞書により新聞記事の極性を推定する研究も行われている．しかし，新聞記事解釈のための極性定義では心理学的側面の感情をその極性で扱えない可能性があるという問題点が存在する．そこで本稿では，心理学者Plutchikの定義する四種類の極性と八つの感情で心理学的に表現した感情モデルを利用した汎用性のある感情辞書の構築を行う．被験者が新聞記事や文学作品に対して抱いた感情を基準とし，提案手法と既存手法の辞書を用いて算出した新聞記事や文学作品の感情との正解率を比較することで提案手法の有用性を検証する．