2J-02
共有メモリ環境におけるMatrix Powers Kernelの評価
○黒田勝汰,藤井昭宏,田中輝雄(工学院大)
科学技術シミュレーションで用いられるクリロフ部分空間法は{Ar,…,Anr}の計算に疎行列ベクトル積(SpMV)を用いる.一般的にSpMVの性能はメモリアクセス性能に制約される.近年,メモリアクセスを改善する手法であるMatrix Powers Kernel(MPK)が注目されている.MPKは計算をブロック化することによりキャッシュを効率的に利用する手法で,ブロックの重複により計算量が増えるが,メモリアクセスが改善できる.本研究ではブロックのサイズと形状を変化させることにより,各ブロックサイズにおける演算量増加とメモリアクセスの改善効果のトレードオフについて分析し,共有メモリ環境におけるMPKの性能を評価した.その結果SpMVによる計算と比較して高い性能を示した.