情報処理学会 第77回全国大会講演要旨

PostgreSQLはエンタープライズ分野でもシステム構築に採用されるなど信頼性・処理性能に優れたOSSのRDMSである。近年の集計処理高速化に答えるためバージョン9.4より、Dynamic Background Worker(DBW)という動的な並列実行フレームワークやDynamic Shared Memory（DSM）という並列ワーカー間のデータ共有をサポートする機構など、並列処理機能が強化されている。我々はPostgreSQLベースのOLXPシステム実現に向けDSMを検討した結果、Hash Aggregationなど、並列ワーカー間で共有しているデータを頻繁に更新する処理では性能面で課題があることが分かった。そこでPostgreSQLに導入可能な共有メモリフレームワークSMC(Shared Memory Context)を設計した。本発表ではSMCの仕組み、PostgreSQLへの導入方式について説明を行う。