情報処理学会 第76回全国大会 会期:2014年3月11日~13日 会場:東京電機大学 東京千住キャンパス 情報処理学会 第76回全国大会 会期:2014年3月11日~13日 会場:東京電機大学 東京千住キャンパス
大学入試における「情報」入試のあり方と可能性
日時:3月11日(火)15:15-17:45
会場:第3イベント会場 (2号館 5F 2503)
【セッション概要】高等学校における情報科は、現状ではマイナーな教科となっているが、これには配当されている時間数の少なさと併せて、大学入試にほとんど出題されていないという現状も影響していると考えられる。しかし、情報科は人間活動の社会的側面から技術面まで幅広い内容を含んでおり、今後のわが国を担って行く人たちにはきちんと学んで欲しい教科である。そのためには、学習成果をきちんと評価する手段としての試験問題や、それを用いた評価が一般的なものとなることが強く望まれる。本企画では、大学入試のための情報科の試験内容について検討している情報入試研究会/情報入試WGや情報入試を実施している大学、高校で情報を教えている立場の教員が集まって意見を交換し、望ましい情報科の評価のあり方について議論を深めることをめざす。
司会:久野 靖(筑波大学 ビジネスサイエンス系 教授)
【略歴】1984年東京工業大学理工学研究科情報科学専攻博士後期課程単位取得退学。同年、同大学理学部情報科学科助手。1989年 筑波大学講師。同大学助教授を経て、現在、筑波大学ビジネスサイエンス系教授。理学博士 (1986年 東京工業大学)。プログラミング言語、ユーザインタフェース、情報教育に興味を持つ。著書に「UNIXの環境設定」「入門JavaScript」「Rubyによる情報科学入門」「Javaによるプログラミング入門」などがある。
15:15-15:35 講演-1 情報入試研究会の活動と情報模擬試験
中山 泰一 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 准教授)
【講演概要】情報処理学会情報処理教育委員会と、情報入試研究会は、高校での情報教育の達成度を正しく評価し、情報教育に対する適切な指針を提供することを目的として、適正な範囲・内容・水準の試験問題や試験形式について検討・試作を行っている。2013年から大学情報入試全国模擬試験を実施している。それらの活動について紹介する。
【略歴】1988年東京大学工学部計数工学科卒業。1993年同大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。博士(工学)。同年、電気通信大学情報工学科助手。現在、同大学院情報理工学研究科情報・通信工学専攻准教授。オペレーティング・システム、並列・分散処理、ゲーム・プログラミング、情報教育などに興味をもつ。情報処理学会では、情報処理教育委員会委員、情報入試ワーキンググループ幹事、論文誌編集委員会委員、コンピュータと教育研究会幹事などを務める。
 
15:35-15:55 講演-2 大学における個別情報入試
松永 賢次 (専修大学 ネットワーク情報学部 教授)
【講演概要】大学における個別情報入試の妥当性は、質的な側面(適切な学生を選抜することができるのか)と量的な側面(多くの学生が受験してくれることにより、倍率が上がり、選抜性が高まる)から考える必要がある。情報入試研究会の模擬試験問題を、勤務先の学部1、2年生に解いてもらった結果に基づき、質的な側面の妥当性について述べる。良い問題を出題したとしても、受験生がどれだけ集まるかしか興味がない大学関係者は多い。受験生が集まらないから「情報」を入試で出題できない大学側と、「情報」で複数の大学を受験できないと準備できないという受験生側とのデッドロック状態となっており。それを解消するために大学間の協力体制が必要であることを述べる。
【略歴】1994年慶應義塾大学理工学研究科管理工学専攻博士後期課程単位取得退学。1995年専修大学経営学部講師。現在、専修大学ネットワーク情報学部教授。大学学部では、2001年の学部開設以来、高大接続、アドミッション施策に関わる委員を務める。情報処理学会では、情報処理教育委員会委員、情報システム教育委員会(委員長)、情報入試ワーキンググループ委員などを務める。
 
15:55-16:15 講演-3 高等学校における情報科の授業と情報入試
中西 渉 (名古屋高等学校 教諭(情報科主任))
【講演概要】2003年度から高等学校で実施されている教科「情報」であるが、始まった直後、あるいはそれ以前からずっと批判され続けている。促成栽培と揶揄される現職教員講習で教壇に立つ者がいる一方、専門教育を受けてきた大学生が「情報」だけの免許では採用されない現状。教科書以上の内容を盛り込もうと独自の工夫を重ねる教員もいれば、パソコン教室の真似事になっている授業もあるという。そして明らかにはされないが、入試教科の「読み替え」も…。数学や英語のように「入試」という明確な目標がないことがこういった問題を生んではいる面はあるが、だとしたら「情報」が入試教科として浸透すれば解決するのだろうか。いや、そんな単純な話ではない。情報という教科が学校の中でどのように受け止められているか、また入試科目とする動きに対する歓迎・警戒・反発などの思いについて、お話をさせていただきたい。
【略歴】1989年名古屋大学理学部数学科卒業。同年、名古屋高等学校(当時の名称は名古屋学院高等学校)教諭。 元々は数学科担当であったが、2004年から情報科を兼担。 教員としての仕事に加えて、ネットワーク管理、プログラム開発なども担当している。
 
16:15-17:45 パネル討論 情報入試に期待するもの
【討論概要】本パネル討論は、わが国の情報教育の現状や位置づけを踏まえた上で、学習成果の評価手段および大学の入学者選抜手段としての情報入試の可能性とあり方について議論を深めることをめざす。そのためにシンポジウム前半で講演をおこなった情報入試研究会/情報入試WG、入試実施を検討している大学、受験生を送り出す側に相当する私立高校教員の各講演者に加え、継続して情報教育の検討に携わって来た初等中等教育委員会メンバー、公立高校教員を加え、望ましい情報入試のあり方や具体的な問題のあり方、今後の方向について時間を掛けて議論していく。
司会: 辰己 丈夫 (早稲田大学 情報教育研究所 招聘研究員)
【略歴】1997年早稲田大学理工学研究科数学専攻博士後期課程単位取得退学。1993年同大学情報科学研究教育センター助手。1999年神戸大学講師。2003年東京農工大学助教授。現在、早稲田大学情報教育研究所招聘研究員。また、東京大学、放送大学、慶應義塾大学で非常勤講師。情報教育、情報倫理、数学教育の情報化に興味を持つ。著書に「情報化社会と情報倫理・第2版」(共立出版)、「情報科教育法・改訂2版」(オーム社)、「情報の科学(高校「情報科」検定教科書)」(日本文教出版)などがある。
パネリスト:中山 泰一 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 准教授)
【略歴】1988年東京大学工学部計数工学科卒業。1993年同大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。博士(工学)。同年、電気通信大学情報工学科助手。現在、同大学院情報理工学研究科情報・通信工学専攻准教授。オペレーティング・システム、並列・分散処理、ゲーム・プログラミング、情報教育などに興味をもつ。情報処理学会では、情報処理教育委員会委員、情報入試ワーキンググループ幹事、論文誌編集委員会委員、コンピュータと教育研究会幹事などを務める。
パネリスト:松永 賢次 (専修大学 ネットワーク情報学部 教授)
【略歴】1994年慶應義塾大学理工学研究科管理工学専攻博士後期課程単位取得退学。1995年専修大学経営学部講師。現在、専修大学ネットワーク情報学部教授。大学学部では、2001年の学部開設以来、高大接続、アドミッション施策に関わる委員を務める。情報処理学会では、情報処理教育委員会委員、情報システム教育委員会(委員長)、情報入試ワーキンググループ委員などを務める。
パネリスト:中西 渉 (名古屋高等学校 教諭(情報科主任))
【略歴】1989年名古屋大学理学部数学科卒業。同年、名古屋高等学校(当時の名称は名古屋学院高等学校)教諭。 元々は数学科担当であったが、2004年から情報科を兼担。 教員としての仕事に加えて、ネットワーク管理、プログラム開発なども担当している。
パネリスト:田中 健(愛知県立安城南高等学校 全日制教務部 教諭(情報科主任))
【略歴】2005年名古屋外国語大学国際コミュニケーション研究科博士前期課程修了。インターネット言語教育学修士(名古屋外国語大学)。愛知県内私立高校情報科教諭を経て、2010年愛知県立安城南高等学校情報科教諭に補せられる。現在愛知県立安城南高等学校情報科主任。同校では普通教科・専門教科ともに「情報」の授業担当。情報処理技術者試験などの国家試験指導やセンター試験「情報関係基礎」の受験指導に携わっている。2004年~2007年、まぐまぐメルマガ「kenny先生の1日1品シスアド・リストランテ」を発行。