情報処理学会 第76回全国大会 会期:2014年3月11日~13日 会場:東京電機大学 東京千住キャンパス 情報処理学会 第76回全国大会 会期:2014年3月11日~13日 会場:東京電機大学 東京千住キャンパス
人間を超えたコンピュータ将棋はどこへ向かうか

日時:3月11日(火)15:15-17:45
会場:第1イベント会場 (1号館 2F 丹羽ホール)

【セッション概要】コンピュータ将棋の実力はプロ棋士に追いついた。トッププロ棋士に勝つのも時間の問題になっている。ともすれば将棋は人間とコンピュータの対決の図式で捉えられがちであるが、コンピュータの実力の確認のために人間と対戦しているのであり、元来はコンピュータは人間を助けるためのもである。このセッションでは人間を超えたコンピュータが将棋の発展にどう貢献できるかについて、試みの例として人間がコンピュータの助けを借りて対戦するアドバンスド将棋を取り上げてその可能性について考察する。
司会:松原 仁(公立はこだて未来大学 システム情報科学部 教授)
【略歴】1986年東大大学院情報工学博士課程修了。同年通産省工技院電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)入所。2000年公立はこだて未来大学教授。人工知能、ゲーム情報学などに興味を持つ。情報処理学会コンピュータ将棋プロジェクト責任者。情報処理学会理事。人工知能学会副会長。NPO観光情報学会会長。
15:15-15:20 企画説明
15:20-16:00 講演-1 アドバンスド将棋の実戦棋譜と人間の思考過程
伊藤 毅志(電気通信大学 情報理工学研究科 助教)
【講演概要】本講演に先立って、コンピュータ将棋に造詣の深く、アマチュアトップクラスの古作登氏と篠田正人氏にそれぞれの考える最善と思われるアドバンスド将棋を実践していただき、その思考過程を発話プロトコルで分析した。この講演では、その棋譜と二人のコンピュータの利用方法について紹介し、アドバンスド将棋における人間の思考過程について考察していく。
【略歴】1988年北海道大学文学部行動科学科卒業。1994年名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士課程修了(工学博士)。同年電気通信大学電気通信学部情報工学科助手。2007年同助教、現在に至る。人間の思考や学習に関する認知科学的研究に従事。2013年よりゲーム情報学研究会主査。
 
16:00-16:20 講演-2 対コンピュータ戦における人間の心理
古作 登 (大阪商業大学 アミューズメント産業研究所 主任研究員)
【講演概要】コンピュータと対局する人間は、人間を相手とする時と違った心理状態におかれる。一例をあげれば心理的なプレッシャーをかけ戦いを優位に進める戦略を用いることができないなど、さまざまな制約がある。心を持たないコンピュータと人間の違いから対コンピュータ戦における人間の戦略と心理、また人間同士の戦いならではの魅力について解説する。
【略歴】1987年早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。大阪商業大学アミューズメント産業研究所研究員(2008年~2011年)、同主任研究員(2011年~)。専門は将棋・囲碁など頭脳スポーツ全般、各種ゲーム。『週刊将棋』元編集長(1996年~2002年)。長年にわたり将棋・囲碁を中心とした知的ゲーム関連事業に携わる。
 
16:20-16:40 講演-3 コンピュータとプロ棋士
飯田 弘之 (北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 教授)
【講演概要】コンピュータがプロ棋士トップレベルに到達した今、マンマシン対決という競争の視点から共存共栄の新たな協調の形が望まれる。いくつかの候補となりうる形について議論し、それぞれの長所と短所を整理したい。そして、マンマシン対決の意義とマンマシン共存共栄の真意を探り、今後の研究と実践のポイントを展望する。
【略歴】社団法人日本将棋連盟プロ棋士六段(1983-1994)。リンブルグ大学客員研究員(1992-1993)。新技術事業団(電子技術総合研究所勤務)科学技術特別研究員(1994-1996)。静岡大学情報学部講師(1996-2000)。マーストリヒト大学客員教授(1999)。静岡大学情報学部助教授(2000-2005)。科学技術振興機構戦略的創造事業さきがけ研究員(2003-2006)。北陸先端科学技術大学院大学(2005-現在)
 
16:45-17:45 パネル討論 これからの将棋とコンピュータについて考える
【討論概要】将棋で人間とコンピュータが対決する時代はもはや終わろうとしている。これからはコンピュータが人間を助けて将棋という文化を維持して発展させる時代を迎える。コンピュータ将棋がプロ棋士よりも強いという事実をどのように受け入れて、そのことを前提に将棋をどのように発展させるべきかを論じる。
司会: 松原 仁(公立はこだて未来大学 システム情報科学部 教授)
【略歴】1986年東大大学院情報工学博士課程修了。同年通産省工技院電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)入所。2000年公立はこだて未来大学教授。人工知能、ゲーム情報学などに興味を持つ。情報処理学会コンピュータ将棋プロジェクト責任者。情報処理学会理事。人工知能学会副会長。NPO観光情報学会会長。
パネリスト:伊藤 毅志(電気通信大学 情報理工学研究科 助教)
【略歴】1988年北海道大学文学部行動科学科卒業。1994年名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士課程修了(工学博士)。同年電気通信大学電気通信学部情報工学科助手。2007年同助教、現在に至る。人間の思考や学習に関する認知科学的研究に従事。2013年よりゲーム情報学研究会主査。
パネリスト:古作 登 (大阪商業大学 アミューズメント産業研究所 主任研究員)
【略歴】1987年早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。大阪商業大学アミューズメント産業研究所研究員(2008年~2011年)、同主任研究員(2011年~)。専門は将棋・囲碁など頭脳スポーツ全般、各種ゲーム。『週刊将棋』元編集長(1996年~2002年)。長年にわたり将棋・囲碁を中心とした知的ゲーム関連事業に携わる。
パネリスト:飯田 弘之 (北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 教授)
【略歴】社団法人日本将棋連盟プロ棋士六段(1983-1994)。リンブルグ大学客員研究員(1992-1993)。新技術事業団(電子技術総合研究所勤務)科学技術特別研究員(1994-1996)。静岡大学情報学部講師(1996-2000)。マーストリヒト大学客員教授(1999)。静岡大学情報学部助教授(2000-2005)。科学技術振興機構戦略的創造事業さきがけ研究員(2003-2006)。北陸先端科学技術大学院大学(2005-現在)