情報処理学会 第76回全国大会講演要旨

広域災害時などで通信基盤が被災して利用できない状況において，MANET(Mobile Ad hoc Network)の有用性が注目されている．携帯端末に組み込まれている使い慣れたSIPアプリケーションを緊急時には，MANETにおいて利用出来れば利便性も向上する．しかし，MANETでSIPを用いた通信を行なった場合，トラフィックが増加し，中継端末の電池残量の減少が早まることで通信中に電池が切れ，セッションが切れてしまうと考えられる．本稿では，MANETにおいてSIPを用いた通信を行なった際のルーティングについて検討する．具体的には，通話時間を予め指定することで，必要電池残量を持つ端末のみで経路構築するルーティングを提案した．提案したルーティングを試作し，有効性を確認した．