情報処理学会 第76回全国大会講演要旨

フラクタル符号化とは，画像の自己相似性を用いて近似画像を生成する
画像データ圧縮方式のひとつである．この手法は高い圧縮率を誇る一方で，
符号化時間などのパフォーマンスで従来の圧縮方式に劣るため，普及に
至っていない現状がある．そこで本論文では，フラクタル符号化の一般的
手法である四分木分割アルゴリズムに対し，最適化手法の一種である粒子
群最適化法を用いた高速化を提案する．複数の画像を用いた実験により
汎用パラメータを決定し，評価実験を行った．結果，提案法は画質の劣化
を最小限に抑えつつ符号化時間を大幅に改善した．また，さらなる高速化
のために，GPUを用いた粒子群最適化法の並列化についても検討を行った．