情報処理学会 第76回全国大会講演要旨

本稿では，動的オラクルを用いた日本語の係り受け解析の評価を報告する．
Shift Reduce法に基づいた従来の係り受け解析器では，初期状態から正解の
最終状態に至る遷移経路は唯一であり，その経路から生成された訓練事例を
用いて係り受け解析器の学習がなされる．そのため，学習済み係り受け解析器が
この経路から外れたとき，その動作が不安定になる課題がある．そこで本稿では
係り受け解析器が正解の経路を外れたときにも，極力正解に近い係り受け構造を
出力するために，動的オラクルを用いる．動的オラクルを統合した係り受け解析器を
実装し，その評価実験を行った結果を報告する．