2G-5
言語資源を活用した古典テキストの異写本比較の検討
○菱山玲子(早大)
仏教経典等の古典テキストは,その伝播過程で異写本を生じ,これらの文献学としての比較研究は東洋学・仏教学の重要なテーマとなっている.本研究の目的は,近年各国で整備が進む大規模な古典テキストデータベースを横断的に利用する際に有効な方法を考案し,これらの比較研究に寄与することである.従来の比較方法としては統計的手法の適用が提案されているが,本研究では,文字列ベースの交換可能性を距離として評価し数値化する方法と多言語資源ベースのマッピング機能を組み合わせ,各異写本の系統関係を把握すると同時に,これらを言語横断的に比較する方法を提案する.実際の漢文経典テキストでこの方法を評価した結果,従来の学説に沿う有効な比較結果を得られた.

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