2F-6
確率的トピックモデルによる対人認知傾向と性格特性の関連付け
○熊野史朗,大塚和弘,松田昌史,石井 亮,大和淳司(NTT)
人が持つ対人認知の傾向を,性格特性及び性別と関連付ける数理モデルを提案する.本研究では,対人認知傾向を,対象とする認知の各状態が,様々な刺激に対してそれぞれどの程度の割合で生成されるかを記述した確率分布とする.性格特性は既存の複数の心理尺度に関して質問紙から得たスコアとする.本稿では,確率的トピックモデルを用いて,これら3要素間の関係性を自動的に学習する方法を提案する.実験では,50名(男性25名,女性25名)の被験者が,二者が対話している短い刺激映像を97つ視聴し,それぞれその二者間の共感の程度を5段階で回答した.モデル学習の結果,妥当な関係性が確認された.例えば,1)Davisの共感性尺度のスコアが高い人物は共感に偏向した認知傾向を示していた.また,2)他者に対する思いやりの強い人物は極端反応傾向を示しやすく,また女性に多かった.提案モデルを用いて,性格特性と性別を既知として対人認知傾向を推定したところ,認知傾向が平均から大きく離れた場合に対しても高い推定精度が得られた.

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