情報処理学会 第76回全国大会講演要旨

広義には仮想現実感の一分野である隠消現実感 (Diminished Reality; DR) は，現実世界に存在する物体を実時間で視覚的に隠蔽・消去・透過させる技術分野である．DRは，体験者視点から除去対象により隠蔽される光景（隠背景）の観測結果を体験者視点に投影して重畳することで実現する．よって，隠背景の復元精度が除去結果に影響を与え，隠背景が複雑な場合の除去は実現が困難となる．そこで，本研究では，光景の幾何情報を保持せず隠背景を復元可能なLight Field Renderingの技術を利用することで，複雑な隠背景をもつ除去対象の除去を目指す．この際，体験者視点の移動範囲を考慮した隠背景撮影時における視点の配置方法の検討を行い，本手法の有効性を確認する．