情報処理学会 第76回全国大会講演要旨

消費電力や漏洩電磁波等のサイドチャネル情報から暗号化処理中の動作を解析し
暗号化鍵を推測するサイドチャネル攻撃と呼ばれる攻撃手法が提案されている．
暗号アルゴリズムを実装する際には，サイドチャネル攻撃に代表される
実装攻撃に対する対策が必須となっている．サイドチャネル攻撃の一種である
電力解析攻撃に対しては，回路の非同期化が有効であると考えられている．
回路の非同期化の一種の手法として回路の二線化がある．1bitデータを
2bitに符号化する二線式論理を用いることで，暗号化処理中の動作と
消費電力の相関関係を無くすことができる．本稿では，バイナリ法を使用した
RSAアルゴリズムを処理する二線式非同期式回路を設計し，設計した回路の
耐タンパー性について考察する．