情報処理学会 第76回全国大会講演要旨

近年、自然文で書かれた質問文に対して回答を抽出する質問応答システムの研究が盛んに行われており、NTCIR のQAC やCLQA 等，評価型ワークショックなどで研究成果が公表されている。
本研究室で開発している質問応答システムMetisは，意味グラフベースで質問文と知識文を照合し，2 つのグラフ間のグラフ類似度で正解を含む確度を判定し，最大の類似度を含む知識グラフから回答を抽出する。
本研究では対話的な環境の質問応答を想定して，文脈的に関連する質問を逐次的に連続して行うシリーズ型質問に対して、指示詞による照応と名詞による照応の解析結果に基づいて元の質問文を言い換えた新しい質問文を生成した後、これを従来のMetisで回答させる。
具体的には指示代名詞「それ」、「その」などが入っている質問文に対して、一つ前の質問文や答えから指示代名詞に対応する先行詞を照応解析によって取り出す。指示代名詞がない質問文では、主題に指示詞を付加したり、前の質問文と類似した質問文があった場合、省略されている修飾節を補完する。