情報処理学会 第75回全国大会 会期:2013年3月6日~8日 会場:東北大学 川内キャンパス 情報処理学会 第75回全国大会
招待講演-4
青井 真(独立行政法人 防災科学技術研究所 地震・火山観測データセンター センター長)
地震防災におけるビッグデータ
日時:3月7日(木)13:50-14:30
会場:第1イベント会場 (マルチメディア教育研究棟 2F M206)
【講演概要】地震大国である日本には全国に数千にも及ぶ様々な種類の地震計や震度計が設置されており、そのデータは耐震設計や地震活動の評価など震災軽減に役立てられている。近年のリアルタイムデータ処理技術の飛躍的な向上により、緊急地震速報などのように今現在進行しつつある震災の軽減に直接貢献することが可能になりつつある。また地震動を現在進行形で実況的に活用する技術も開発され始めているが、地震波の伝播速度は速いため猶予時間が限られている。全国で時々刻々得られる地震の時系列データはビッグデータとよぶべき膨大なものであり、防災情報として活用するにはいかに迅速にデータを処理して有効な情報を抽出し必要な伝達が可能となるかが要となる。本講演では、リアルタイム地震データの伝送・解析・発信に関して、東日本大震災の例も交えつつその最先端を紹介する。また地震ハザード評価に必要となる大規模シミュレーションに関しても言及する。

【略歴】1991年3月に京都大学理学部を卒業。1996年3月に同大大学院理学研究科地球物理学専攻を修了し、博士(理学)を取得。同年4月に防災科学技術研究所に入所、現職は地震・火山観測データセンター長。同センターで全国約2000地点に展開する地震観測網の運用を統括。また、波動伝播に基づく地震動の数値計算手法を開発し大規模なシミュレーションに適用するとともに、地震動シミュレーションのトータルシステムであるGMSを公開。