情報処理学会 第75回全国大会 会期:2013年3月6日~8日 会場:東北大学 川内キャンパス 情報処理学会 第75回全国大会
招待講演-3
安達 文幸(東北大学 大学院工学研究科通信工学専攻 教授
災害に強い無線通信ネットワークを目指して

日時:3月7日(木)13:10-13:50
会場:第1イベント会場 (マルチメディア教育研究棟 2F M206)

【講演概要】携帯電話に代表される無線通信ネットワークは今や重要な社会基盤になっている。今後、無線通信ネットワークはさらなる広帯域化に向かうのは間違いないだろう。しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災はこの方向だけではいけないことを教えてくれた。震災時には、携帯電話基地局が動作不能に陥って通話ができなくなったり、膨大なトラフィックが集中して発生したため通話がきわめてつながりにくくなり、災害時に携帯電話が役立つと思っていた人たちに失望を与えてしまった。二度とこのようなことにならないよう、災害に強い、信頼される無線通信ネットワークを構築しなければならない3.11東日本大震災時のネットワークの問題を分析し、災害に強いネットワークを構築するための技術課題について整理する。そして、災害時には他のネットワークと協調運用して緊急時の通信トラフィックを運ぶ「重層的通信ネットワーク」の研究開発について紹介する。

【略歴】1973年東北大工学部電気工学科卒業。同年電電公社電気通信研究所入所。1992年NTTドコモに転籍。一貫して、移動通信方式およびディジタル移動無線通信技術の研究開発に従事、第3世代移動通信方式W-CDMAの基礎技術を開発。2000年1月より東北大学大学院工学研究科勤務、2011年10月よりディスティングウィッシュト・プロフェッサー。