情報処理学会 第75回全国大会 会期:2013年3月6日~8日 会場:東北大学 川内キャンパス 情報処理学会 第75回全国大会
招待講演-2
石黒 浩(大阪大学 基礎工学研究科システム創成専攻 教授 / ATR石黒浩特別研究室 室長)
人とアンドロイドとメディア

日時:3月6日(水)14:15-15:15
会場:第1イベント会場 (マルチメディア教育研究棟 2F M206)

【講演概要】 人は人と関わるための脳や体を持つ。その信念の基にロボットの人間らしさを追求することを目的に、人間に酷似したロボット、いわゆるアンドロイドの研究開発に従事してきた。このアンドロイドは、自律動作と遠隔操作による対話を組み合わせた半自律のアンドロイドであり、訪問者、操作者の双方がこのアンドロイドに適応できる。すなわち、アンドロイドは操作者の存在を遠隔地に転送できる新しいメディアとなる。このアンドロイドの研究では、ロボット工学、センサ工学、材料工学、人工知能、認知科学、哲学など、数多くの研究分野が、人間らしさや人間の存在に対する問いに向かって融合している。そしてその融合領域研究の中で、その基本的な問いに対する答えを模索しながら、人間と人間、人間と機械の関わりにおける重要な要素を理解しようとしている。本講演ではこれまでに開発されたアンドロイドやロボットを紹介しながら、どのように複数の分野が融合し人間理解に向かっているかを紹介する。

【略歴】1991年大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了。工学博士。その後、山梨大学、大阪大学、京都大学、カリフォルニア大学、京都大学、和歌山大学、大阪大学工学研究科を経て、2009年より現職、2010年ATRフェロー。2011年大阪文化賞受賞。専門は、ロボット学、センサネットワーク、アンドロイドサイエンス。