情報処理学会 第75回全国大会 会期:2013年3月6日~8日 会場:東北大学 川内キャンパス 情報処理学会 第75回全国大会
デジタルコンテンツ研究のススメ

日時:3月7日(木)14:45-17:15
会場:第3イベント会場 (B棟 2F B200)

【セッション概要】インターネットや携帯電話の急速な普及とブロードバンド化、昨年7月のアナログテレビ放送からデジタルテレビ放送への移行完了(一部地域を除く)などを背景に、デジタルコンテンツ産業が我が国の主要産業として今後さらに成長することが見込まれている。我が国のデジタルコンテンツ産業は独自の成長と進化を遂げ、今でも新たな方向に向けて急速に進みつつある。そこでデジタルコンテンツに関する技術者の相互情報交換の場を提供するデジタルコンテンツクリエーション研究会では、「デジタルコンテンツ研究のススメ」と題し、本企画により、デジタルコンテンツのこれまでと、現状、今後について講演とパネルを行う。

司会:義久 智樹 (大阪大学 サイバーメディアセンター 准教授)
【略歴】2002年大阪大学工学部卒業(楠本賞)。2003年同大学院情報科学研究科博士前期課程修了(期間短縮)し、2005年同専攻博士後期課程修了(期間短縮)。博士(情報科学)。2005年京都大学学術情報メディアセンター助教。2008年大阪大学サイバーメディアセンター講師を経て2009年より同准教授となり、現在に至る。この間、カリフォルニア大学アーバイン校客員研究員。2007年度電気通信普及財団テレコムシステム技術賞、2010年度本会山下記念研究賞、他多数の受賞。
14:45-15:15 講演-1 コンテンツ産業の現状と地方の取り組み
高橋 光輝 (デジタルハリウッド大学 准教授)
【講演概要】コンテンツ産業は知財立国掲げた日本政府の国策である。しかしながら一般には、コンテンツという用語は関係者にとっての言葉としか普及していない。今後産業の成長を図るためにも一般社会でもその意味や活動が理解される必要がある。では、はたしてコンテンツとはなにか?また日本政府はどのような取り組みを行っているのか?他国ではどのような施策を行っているのか?そして、現在のコンテンツ産業はどのような市場規模なのか?その特徴は?この講演では、コンテンツ産業の国による取り組みと最近話題の地方でのコンテンツを活用化した地域の活性化を取り上げ解説を行う。これらは、コンテンツ産業を知るうえで、前提となる基本情報になる。
【略歴】映像製作会社にてCM、PV、TVなどの製作従事しつつ、教員を兼務。その後、デジタルクリエイター育成の教育機関で統括業務も行う。同時に大学及び研究所にてメディア・コンテンツ分野の研究員として活動。特にメディアミックスや映画やアニメなどコンテンツ分野で著書も発行。近年は、デジタルコミュニケーションの学術研究に力を注いでいる。
 
15:15-15:45 講演-2 デジタルコンテンツの広がり
井上 智雄 (筑波大学 図書館情報メディア系 准教授)
【講演概要】デジタルコンテンツという言葉から一般にイメージされるのは、アニメや映画、iTunesなどで配信される音楽、テレビ番組、電子書籍あたりであろうか。本講演では、デジタルコンテンツのスコープがもっと広いことを話したい。実際講演者は、コミュニケーションやコラボレーションに関わる情報システム特にそのインタフェースをこれまで主な研究対象としてきたが、それらはいつの間にかデジタルコンテンツにも関わっている。いうまでもなく教育・学習はデジタルコンテンツであふれているし、SNSも中身はすべてデジタルコンテンツである。グループウェアで作られるものの多くはデジタルコンテンツ、VRやARで生み出されるものもそうである。少し角度を変えてこれまでの研究を見直すとデジタルコンテンツが身近になる人は多いのではないだろうか。
【略歴】筑波大学図書館情報メディア系准教授。1998年慶應義塾大学院理工学研究科計測工学専攻博士課程修了、博士(工学)。HCI、CSCW、学習支援システムの研究に従事。情報処理学会論文賞、情報処理学会活動貢献賞、情報処理学会山下記念研究賞、他受賞。電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーション基礎研究会、日本VR学会サイバースペースと仮想都市研究会、同香りと生体情報研究会、IEEE TC CSCWD、APSCE CUMTEL SIG各運営委員。「Communication and Collaboration Support Systems」(IOS Press)等執筆。情報処理学会の他、ヒューマンインタフェース学会、ACM他各会員。
 
15:45-16:15 講演-3 デジタルコンテンツで「つなぐ未来」
小川 剛史 (東京大学 情報基盤センター 准教授)
【講演概要】一般に身近なデジタルコンテンツといえば、音楽、映像/音声、写真、電子書籍などエンターテインメント性の高いものが主流であるが、これまでコンピュータや情報処理技術の発展に伴ってデジタルコンテンツは常に進化してきた。VRやARのような先端技術もまた新たなデジタルコンテンツを創造したり、表現したりするプラットフォームとして一般に広まりつつある。一方、セッションやコラボなど、コンテンツは人や技術をつなぐ役割も担っている。本講演では、デジタルコンテンツを表現するためのAR技術について紹介し、デジタルコンテンツによってつながる未来について述べる。
【略歴】1997年大阪大学工学部情報システム工学科卒業。1999年同大学大学院工学研究科博士前期課程修了。2000年同研究科博士後期課程中退後、同大学サイバーメディアセンター助手。2007年東京大学情報基盤センター講師、2010年同准教授となり、現在に至る。拡張現実感、ヒューマンインタフェース、グループウェアなどに関する研究に従事。博士(情報科学)。
 
16:15-17:15 パネル討論 コンテンツ論文とは何か?
【討論概要】デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会では、2013年度から情報処理学会論文誌:デジタルコンテンツ(DCON,ディーコン)の発刊を予定しています。本トランザクションでは、コンテンツ論文というものを新たに評価しようとしています。本パネルでは、コンテンツそのもの、すなわち技術だけでなく、ストーリやキャラクタ、表現、コンセプトなどををどのような観点で評価するか、事例を見ながら参加者の皆様と共に議論したいと思います。
司会: 宗森 純 (和歌山大学 システム工学部 教授)
【略歴】1979年名古屋工業大学電気工学科卒業。1981年同大学大学院工学研究科修士課程修了。1984年東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了(工学博士)。三菱電機、鹿児島大学、大阪大学を経て、1999年和歌山大学システム情報学センター教授。現在、和歌山大学システム工学部デザイン情報学科教授。1998年度本会論文賞受賞。情報処理学会理事等を歴任。グループウェアの研究に従事。
パネリスト:岡田 謙一 (慶應義塾大学 理工学部 教授 )
【略歴】慶應義塾大学理工学部情報工学科主任教授、工学博士。専門は、CSCW、グループウェア、CHI。情報処理学会理事、学会誌編集主査、論文誌編集主査、GN研究会主査、IE領域委員長、日本VR学会理事などを歴任。現在、DCC研究会運営委員、電子情報通信学会HB/KB幹事長。情報処理学会フェロー、日本VR学会フェロー、IEEE、ACM、電子情報通信学会会員。
パネリスト:高橋 光輝 (デジタルハリウッド大学 准教授)
【略歴】映像製作会社にてCM、PV、TVなどの製作従事しつつ、教員を兼務。その後、デジタルクリエイター育成の教育機関で統括業務も行う。同時に大学及び研究所にてメディア・コンテンツ分野の研究員として活動。特にメディアミックスや映画やアニメなどコンテンツ分野で著書も発行。近年は、デジタルコミュニケーションの学術研究に力を注いでいる。
パネリスト:塚本 昌彦 (神戸大学大学院 工学研究科電気電子工学専攻 教授)
【略歴】1987年京大・工卒、1989年京大院・工修了、シャープ、阪大講師、助教授を経て、2004年より現職。工学博士。ウェアラブル・ユビキタスコンピューティングのシステムとその応用に関する研究を行っている。2001年3月よりHMDの装着生活を行っている。NPOウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事長。