情報処理学会 第75回全国大会 会期:2013年3月6日~8日 会場:東北大学 川内キャンパス 情報処理学会 第75回全国大会
行動をデザインする! 〜人の行動を促す人間-環境インタラクションデザイン〜

日時:3月6日(水)9:30-12:00
会場:第2イベント会場 (A棟 2F A200)

【セッション概要】持続可能な省エネルギー社会を実現するためには、国や自治体レベルでの大きな取り組みとともに、個人や家庭といったミクロレベルでの努力が有効であることは、震災以降の節電の取り組みの成果を見ても明らかである。本セッションでは、我々が快適さを損なわずにより賢く暮らせるために、人の行動を促すシステムデザインはどうあるべきか、その方法論について議論する。このような問題は建築やHCIなどの分野で個別に長らく議論されてきたが、本質的な解決のためには空間設計と情報処理が深く結びつく必要がある。本イベントの前半では、建築の立場から環境センシングと住宅設計に関する事例報告、情報処理・HCI分野からは人の行動を促すインタフェースやエージェントの事例報告、さらにこのような複合的問題の解決のための大学における研究・教育の取り組みについての事例報告を行う。その上で後半のパネルでは、行動のデザイン、またそのための研究・教育のあり方について議論する。

司会:和田 康孝 (電気通信大学 大学院情報システム学研究科 助教)
【略歴】2004年早稲田大学理工学研究科電気工学専攻修士課程修了。2009年博士(工学)。2006年早稲田大学理工学部助手。2009年同大学IT研究機構次席研究員。2010年同大学基幹理工学研究科助教、エジプト日本科学技術大学(E-JUST)情報・コンピュータ工学専攻特任准教授。2012年より電気通信大学大学院情報システム学研究科助教およびE-JUST情報・コンピュータ工学専攻客員准教授。並列処理、自動並列化技術およびメニーコアプロセッサに関する研究に従事。
9:35-9:55 講演-1 Archiduino ~オープンソースHWを用いた人間・環境センシング~
遠田 敦 (東京理科大学 理工学部建築学科 助教)
【講演概要】建築の生産費用の中からICT機器に拠出できる額はごくわずかであり、この壁を越えないことにはセンサー機器の一般住宅への普及は望めません。そこでいま流行りの「オープンソースハードウェア」に則ったセンサーネットワークを作り、機器類の低価格化を目指しました。また、安価であるが故に限りある情報資源の中からどのような情報を抽出することができたのか報告します。
【略歴】2005年早稲田大学理工学研究科建築学専攻修士課程修了、2009年博士(建築学)、2007年早稲田大学理工学術院総合研究所助手、2010年東京理科大学理工学部建築学科助教。専門は建築情報システム、建築計画。
 
9:55-10:15 講演-2 15Aの家
中川 純 (レビ設計室 代表)
【講演概要】福島の原発事故を契機に、エネルギーに制約のある暮らしが直接的・間接的に課せられようとしています。今回は建築の形態と環境・情報処理技術によって消費エネルギーを抑えた生活を促す建築の実例を紹介するとともに、建築と情報処理技術の共通のプラットフォームについて検証したいと思います。
【略歴】早稲田大学卒業後、難波和彦・界工作舎勤務。2006年レビ設計室設立。2008年~東京大学非常勤講師。受賞歴、SxLコンペ入選、FP デザインコンペ入選、グッドデザイン賞、TEPCO 快適住宅コンテスト入選。
 
10:15-10:35 講演-3 人の行動を変えるシステム・デザイン
【講演概要】情報技術の進歩により日常の環境内で活動する人々の行動に関する情報を取得することが可能となって来ている。現在の状況を認識することで、人々の意思決定や行動を変化させる情報を提供することが可能となる。特に、いつでもどこでも情報を提供可能なユビキタス環境の実現は、人の行動のあり方を大きく変化させる可能性がある。本講演では、我々が開発したいくつかのシステムを例に情報技術が如何に人の行動に影響を与えることが出来るかを紹介する。
中島 達夫 (早稲田大学 基幹理工学部情報理工学科 教授)
【略歴】早稲田大学基幹理工学部情報理工学科教授。カーネギメロン大学計算機科学科研究員、ドイツ国立情報学研究所研究員、北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科助教授、AT&T Labolatories、Cambridge研究員、Nokia Research Center Visting Research Fellow、ヘルシンキ大学客員教授等を歴任、情報技術を利用した新しい社会の仕組みのあり方に関して研究をおこなっている。
坂本 瑞季 (早稲田大学 基幹理工学部情報理工学専攻 学生)
【略歴】早稲田大学基幹理工学部情報理工学専攻在学中。ゲーム概念を利用した人間行動の改変に興味を持つ。拡張現実感を利用したトレーディングカードゲームの拡張であるAugmented Trading Card Gameの開発、パーソナリティに基づくゲームにおける人間の行動の分析手法、複数のメディアを用いて人間の行動を改変するPersuasive Transmedia Storytelling等の研究に従事している。2012年Googleアニタボルグ記念奨学金受賞、The 5th International Conference on Human-centric Computing ベストペーパアワード受賞。
 
10:35-10:55 講演-4 WIZDOM ~早稲田大学における学際的デジタル志向クリエイティブスペースの活動紹介~
松山 洋一 (早稲田大学 基幹理工学部情報理工学科 助手)
【講演概要】早稲田大学における、学際的デジタル志向クリエイティブスペースWIZDOM(Waseda University Integrated Space of Wizards、Digital Oriented Manufacturers)の活動をご紹介します。WIZDOMでは、情報理工学科をホスト役として、表現工学科、建築学科、総合機械工学科、表象メディア専攻などを中心としたメンバーが学科・研究室を超えて一緒に活動を行なっています。大学内の才能ができるだけ還流するように、工房としてのWIZLAB、定期的に交流する機会としてのWIZDOM Lecture Seriesなどの仕組みから構成されます。今回は、主に建築設計×情報処理のコラボレーションの事例をご報告いたします。
【略歴】2008年早稲田大学理工学研究科修士課程修了、同年早稲田大学基幹理工学研究科博士後期課程入学、2010年より同大学情報理工学科助手。専門は音声対話処理およびヒューマン・ロボット・インタラクション。2012年4月より早稲田大学における学科横断プロジェクトWIZDOMのディレクターをつとめる。
 
11:00-12:00 パネル討論 「行動をデザインする方法論」
【討論概要】「人の行動を促すようなシステムや空間の設計はどのように行うべきか?」本パネルでは、主に建築分野とHCI・情報処理の分野からパネリストを迎え、イベント前半での事例報告を踏まえつつ上記の問題への解決の方法論や具体的なコラボレーションの可能性を探る。
司会: 和田 康孝 (電気通信大学 大学院情報システム学研究科 助教)
【略歴】2004年早稲田大学理工学研究科電気工学専攻修士課程修了。2009年博士(工学)。2006年早稲田大学理工学部助手。2009年同大学IT研究機構次席研究員。2010年同大学基幹理工学研究科助教、エジプト日本科学技術大学(E-JUST)情報・コンピュータ工学専攻特任准教授。2012年より電気通信大学大学院情報システム学研究科助教およびE-JUST情報・コンピュータ工学専攻客員准教授。並列処理、自動並列化技術およびメニーコアプロセッサに関する研究に従事。
パネリスト:遠田 敦 (東京理科大学 理工学部建築学科 助教)
【略歴】2005年早稲田大学理工学研究科建築学専攻修士課程修了、2009年博士(建築学)、2007年早稲田大学理工学術院総合研究所助手、2010年東京理科大学理工学部建築学科助教。専門は建築情報システム、建築計画。
パネリスト:中川 純 (レビ設計室 代表)
【略歴】早稲田大学卒業後、難波和彦・界工作舎勤務。2006年レビ設計室設立。2008年~東京大学非常勤講師。受賞歴、SxLコンペ入選、FP デザインコンペ入選、グッドデザイン賞、TEPCO 快適住宅コンテスト入選。
パネリスト:松山 洋一 (早稲田大学 基幹理工学部情報理工学科 助手)
【略歴】2008年早稲田大学理工学研究科修士課程修了、同年早稲田大学基幹理工学研究科博士後期課程入学、2010年より同大学情報理工学科助手。専門は音声対話処理およびヒューマン・ロボット・インタラクション。2012年4月より早稲田大学における学科横断プロジェクトWIZDOMのディレクターをつとめる。
パネリスト:中島 達夫 (早稲田大学 基幹理工学部情報理工学科 教授)
【略歴】早稲田大学基幹理工学部情報理工学科教授。カーネギメロン大学計算機科学科研究員、ドイツ国立情報学研究所研究員、北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科助教授、AT&T Labolatories、Cambridge研究員、Nokia Research Center Visting Research Fellow、ヘルシンキ大学客員教授等を歴任、情報技術を利用した新しい社会の仕組みのあり方に関して研究をおこなっている。
パネリスト:坂本 瑞季 (早稲田大学 基幹理工学部情報理工学専攻 学生)
【略歴】早稲田大学基幹理工学部情報理工学専攻在学中。ゲーム概念を利用した人間行動の改変に興味を持つ。拡張現実感を利用したトレーディングカードゲームの拡張であるAugmented Trading Card Gameの開発、パーソナリティに基づくゲームにおける人間の行動の分析手法、複数のメディアを用いて人間の行動を改変するPersuasive Transmedia Storytelling等の研究に従事している。2012年Googleアニタボルグ記念奨学金受賞、The 5th International Conference on Human-centric Computing ベストペーパアワード受賞。
パネリスト:林 明宏 (早稲田大学 基幹理工学部情報理工学科 助教)
【略歴】2008年早稲田大学基幹理工学研究科修士課程修了、同年早稲田大学基幹理工学研究科博士後期課程入学、2010年より同大学情報理工学科助手。2012年早稲田大学基幹理工学研究科博士課程修了。博士(工学)。2012年より同大学情報理工学科助教。専門はマルチコアアーキテクチャ及び自動並列化コンパイラ。2012年4月より早稲田大学における学科横断プロジェクトWIZDOMの設立に関わる。
パネリスト:渡井 大己 (早稲田大学 大学院文学研究科 修士課程 学生)
【略歴】早稲田大学商学部卒業、早稲田大学大学院文学研究科修士課程在籍。2012年4月、WIZDOM設立にかかわる。「セクハラ・インターフェース」で第18回学生CGコンテスト審査員賞受賞。現在、メディアアート・ インタラクティブ作品、自律群知能ロボットの制作に従事している。