情報処理学会 第75回全国大会講演要旨

　東日本大震災においては、インターネット上に限定しても多くの流言が流通した(e流言)。本研究では、ツイートおよび報道データの分析によって、e流言の発生や消滅にソーシャルメディアとマスメディアがどのように影響しているのかを明らかにした。
　石油コンビナートの火災にともなって有害物質が飛散するという流言については、流言発生前後の報道回数とツイート回数には正の相関がみいだされた。このことから、TV報道がe流言を発生させる状況を発生させたと推測される。
　一方、e流言の発生から拡散プロセスを追跡することによって、発生源はオピニオンリーダーではなく一般の者であった。ただし、有名なアカウントに、拡散を依頼する者がおり、それによって有名アカウントがツイートした結果として広く拡散するという現象もみられた。