1D-2
方向統計学を用いた複素信号の位相限定相関関数の統計的解析
○八巻俊輔,阿部正英,川又政征(東北大)
本論文では,複素信号の位相限定相関関数の統計的性質を方向統計
学の概念を用いて説明できることを示す.まず,2つの複素信号の
位相スペクトルの差を確率変数の系列であると仮定する.位相スペ
クトルの差を方向をもつ角度データとして考え,その確率分布とし
て円周確率分布を仮定する.その結果,位相限定相関関数の期待値
および分散は,それぞれ位相スペクトルの差の円周分散の1次関数
および2次関数によって非常に単純に表せることを示す.この理論
は2次元信号に拡張することも容易であり,音声信号のみならず画
像信号のマッチング技術にも適用できることが期待される.

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