自動運転

第2回:『EV化+完全自動運転+モビリティサービス』の必然性、開発状況、今後の方向性を全解説

日時:
2018年7月19日(木) 10:00~16:45
会場:
化学会館7F(本会場) 受付開始:9:30~
大阪大学中之島センター7F 講義室702(遠隔会場) 受付開始:9:30~
東北大学電気通信研究所 本館6階 中会議室(M602)(遠隔会場) 受付開始:9:30~

欧米中では『EV化+完全自動運転+モビリティサービス』の構築に向け、クルマ産業と情報処理産業を交えた開発競争が激化し、既に大幅な実力差も出て来ている。これらを実現する技術は必ずしも自動車産業の中にあるものではなく、情報処理技術の指数関数的な発達をクルマに導入することで実現されるものであり、その為の業界再編も活発化している。また、これらの実現は、国際的な人口増、高齢化、更に渋滞、事故、エネルギー消費、大気汚染等の社会コスト増への対策として必然的な根拠になっており、各国で国を挙げた各種政策支援も行われている。国内ではあまり緊急性は感じられないが、海外は圧倒的な速度で変化しており、今後の国内産業の国際競争力を考えてもその実現に向けた積極的な開発強化が急務である。そうした中で情報処理技術の強化が最重要である事を、完全自動運転の開発とモビリティ社会基盤の構築という視点から解説させて頂く。

オープニング[10:00~10:10]

コーディネータ:野辺 継男(インテル株式会社 事業開発・政策推進 ダイレクター、チーフ・アドバンストサービス・アーキテクト/名古屋大学 未来社会創造機構 客員准教授)

【略歴】1983年 早稲田大学理工学部応用物理学科卒、1990年 ハーバード大学 MBA1990 Alumni/PIRP Fellow、1983年以降 NECにて海外PC事業立ち上げ、その後国内PC98を国際標準PCに移行、PC関連技術開発多数、2001年以降 ソフトバンクのゲーム子会社CEOとしてインターネット事業を立ち上げ支援、2004年以降 日産自動車でクルマのIoT化を統括、2012年以降 インテルにてクルマのIoT化から自動運転全般のアーキテクチャ定義及び政策推進に従事、2014年以降 名古屋大学客員准教授兼務。

セッション1[10:10~12:10]

国際的な視点からLevel3/Level4/Level5自動運転を総括し、今後の動向を予測する

10年以上市場に存在するクルマと2-3年で世代交代し10年経てば全く異なるソリューションを実現するICTを同居させることはこれまで極めて困難だった。これがレベル4以上の自動運転では、両者は同じ土俵で議論され、むしろICT技術(含:IoT、クラウド、AI、セキュリティ、更には量子コンピューティングやブロックチェイン等)の適用如何が企業競争力を決定し得る状況になってきた。特に、現状稼働率4%程度であるクルマが、Level4以上でオンデマンドの移動を提供するソリューションになると、一気に稼働率が上がり、2-3年でライフサイクルを回す商品となり、晴れてクルマとICTの開発期間はシンクロする。こうした自動車産業の構造的変化を、特にICT視点からお話しさせて頂く。
1.自動車とICTの関係(過去、現在、未来)
2.海外ではレベル3をスキップし「レベル4+EV+モビリティ事業」にシフト
3.最新開発動向 (米国で起きた事故にも触れる)及び課題
4.IoT及びDeep Learningが引き起こす産業構造の変化

講師:野辺 継男(インテル株式会社 事業開発・政策推進 ダイレクター、チーフ・アドバンストサービス・アーキテクト/名古屋大学 未来社会創造機構 客員准教授)

【略歴】1983年 早稲田大学理工学部応用物理学科卒、1990年 ハーバード大学 MBA1990 Alumni/PIRP Fellow、1983年以降 NECにて海外PC事業立ち上げ、その後国内PC98を国際標準PCに移行、PC関連技術開発多数、2001年以降 ソフトバンクのゲーム子会社CEOとしてインターネット事業を立ち上げ支援、2004年以降 日産自動車でクルマのIoT化を統括、2012年以降 インテルにてクルマのIoT化から自動運転全般のアーキテクチャ定義及び政策推進に従事、2014年以降 名古屋大学客員准教授兼務。

セッション2[13:15~14:55]

完全自動運転ソフトウエア Autowareの概要

自動運転によるモビリティ革命の実現には一般道完全自動運転によるモビリティサービスの実現が重要である。この技術開発は幅広い技術領域に渡り、会社毎のクローズ開発が難しくなってきており、その解決としてオープン戦略が注目されている。本講演では一般道完全自動運転のためのオープンソースソフトとしてデファクトに近づいているAutowareについて、現状機能やその内容を概説し、今後の展開を議論する。

講師:二宮 芳樹(名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ領域 特任教授/株式会社ティアフォー 取締役)

【略歴】1983年03月 名古屋大学工学研究科電子工学専攻 修了、1983年04月 (株)豊田中央研究所 入社、2004年03月 同社 走行支援センシング研究室長、2011年07月 同社 情報エレクトロニクス研究部 部長、2014年04月 名古屋大学 未来社会創造機構 特任教授、2015年12月 (株)ティアフォー 取締役(兼任)。

セッション3[15:05~16:45]

完全自動運転が生み出す社会変化とSynergic Mobilityの創出

自動運転が急速に現実味を持ちつつある。完全自動運転が普及した社会を想定すると、まったく新しいビジネスが登場する。例えば、各車両が搭載するレーザスキャナ(LiDAR)や車載カメラにより大量の実世界データが収集できる。これらを用いれば、道路や電柱などの社会インフラの点検などが可能になる。自動運転車は人に加え、郵便や貨物・飲食品の運搬・販売も可能であり、様々なサービスが相乗りできる。また、自動運転車両は運用管理が重要であり、需要に応じた最適な配車技術が必要になる。我々は、走れば走るほどデータが集まり、価値を生み出すモビリティ基盤「Synergic Mobility」の創出を目指して研究開発を進めており、本講演では予想される社会変化と将来構想を紹介する。

講師:河口 信夫(名古屋大学 未来社会創造機構 教授)

【略歴】1995年名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士後期課程満了。名古屋大学助手、准教授を経て2009年より同大教授。ユビキタスコミュニケーション、位置情報システムに関する研究に従事。2012年に特定非営利活動法人位置情報サービス研究機構(Lisra)を設立、同代表理事。2015年に自動運転ベンチャー株式会社ティアフォー設立、同取締役。博士(工学)。