AR/VR

第6回:AR/VRの新展開

 

日  時:
2017年12月11日(月)
会  場:
【本会場】化学会館7F(東京都千代田区)
【遠隔会場】大阪大学中之島センター7F 講義室702(大阪市北区)
受付開始:
9:30~

VRという言葉がはじめて使われ、大きな反響を巻き起こしたのが1989年のことであった。従って、昨今のブームは2巡目ということになる。本セミナーでは、このVR2.0とでも呼ぶべき技術について、周辺的技術まで含め、様々な角度から紹介したいと考えている。具体的には、AR/VR技術の成立から今日に至るまでの歴史を辿り、その本質的意味や今後の展開などについて、技術のアウトラインを押さえたうえで、いくつかの今日的話題について議論する。具体的には、AR/VRにおける基幹技術の一つである3D映像インタラクティブ技術、さらにその先の話題としての五感情報技術、情動技術とVR技術のかかわり、AR/VRのためのソフト環境やコンテンツ基礎、ミュージアムや地域アーカイブのためのAR/VR応用などの視点が含まれる。VRは、さまざまな領域との接点を有する学際的な領域であり、このセミナーでも情報科学の枠を超えた幅広い話題提供ができればよいと思っている。

オープニング[10:00~10:10]

廣瀬 通孝様 コーディネータ:廣瀬 通孝(東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授)
【略歴】東京大学大学院情報理工学系研究科 教授。1979年東京大学大学院修士課程修了、1982年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。同年東京大学工学部講師、1983年助教授、1999年先端科学技術研究センター教授を経て、2006年東京大学大学院情報理工学系研究科教授。専門はシステム工学、ヒューマン・インタフェース、バーチャル・リアリティ。主な著書に「バーチャル・リアリティ」(産業図書)など。

セッション1[10:10~11:10]

VR2.0の世界

昨今、VR技術が注目を集めている。VRという言葉がはじめて使われたのが1989年のことであるから、今回は2周目のブームということになる。もちろん、当時と今とでは技術的・社会的な環境が全く異なっており、その意味で現在のVRはVR2.0とでも呼ぶべきものであろう。本講演では、VR技術の過去と現在について解説したうえで、この新しいVR2.0はどう進化していくのか、どうわれわれの考え方や産業や社会に影響を与えていくのかについて、いろいろな角度から俯瞰的に解説していきたいと思う。

廣瀬 通孝様 講師:廣瀬 通孝(東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授)
【略歴】東京大学大学院情報理工学系研究科 教授。1979年東京大学大学院修士課程修了、1982年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。同年東京大学工学部講師、1983年助教授、1999年先端科学技術研究センター教授を経て、2006年東京大学大学院情報理工学系研究科教授。専門はシステム工学、ヒューマン・インタフェース、バーチャル・リアリティ。主な著書に「バーチャル・リアリティ」(産業図書)など。

セッション2[11:20~12:20]

実空間に溶け込むVRディスプレイ技術

昨今のVRブームの技術的背景には、主に視覚情報提示装置であるHMDの普及が影響しています。しかしながらHMDには、対象年齢や使用できる場所に制限があります。一方で、VR技術の培ってきた視覚情報提示技術として、プロジェクションマッピングなどの投影型ARや、3Dディスプレイや空中像による映像表現技術など今後のブレイクスルーが期待される技術がまだまだあります。本セミナーでは、様々な映像表現技術の中でも、特に実空間に溶け込ませやすい空中映像を中心として、映像表現技術全般に関しての最新動向を紹介します。

小泉 直也様 講師:小泉 直也(電気通信大学 情報理工学研究科 情報学専攻 助教)
【略歴】2012年慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科後期博士課程修了。博士(メディアデザイン学)。日本学術振興会特別研究員PD、東京大学情報学環研究員を経て、現在、電気通信大学情報理工学研究科助教及びJSTさきがけ研究員。知覚作用インタフェース、空中像光学系やクロミック作用を利用したディスプレイの研究に従事。

セッション3[13:25~14:25]

五感技術とエモーショナルAI

昨今のバーチャルリアリティ研究におけるブレークスルーのひとつが、心理学や認知科学の知見を援用し、人間の脳の情報処理特性をうまく利用した錯覚応用型のインタフェース技術の登場である。なかでも、感覚間の相互作用を誘発し、提示が容易な刺激を組み合わせるだけで複雑な五感体験を提供可能にするクロスモーダルインタフェースは、今後のVRに期待される五感の活用にとって重要な技術である。さらには、この種のインタフェースの発展として、五感をきっかけに生じる情動変化を通じて、感情や認知能力に影響を与える情動誘発インタフェースも実現可能になった。本講演では、クロスモーダルインタフェースや情動誘発インタフェースの実例を紹介するとともに、こうした新たなディスプレイ技術と適切な状況判断を支援する知的情報処理技術との融合が、われわれの能力を拡張し、日常生活を大きく変えていく可能性について議論をおこなう。

鳴海 拓志様 講師:鳴海 拓志(東京大学 大学院情報理工学系研究科 講師)
【略歴】2008年東京大学大学院学際情報学府修了。2011年同大学院工学系研究科博士課程修了。2011年同大学院情報理工学系研究科助教、2016年より講師、現在に至る。博士(工学)。VR・AR技術と認知科学・心理学の知見を融合し、限られた感覚刺激提示で多様な五感を感じさせるためのクロスモーダルインタフェース、五感に働きかけて行動や認知、能力を変化させる人間拡張技術等の研究に取り組む。日本VR学会論文賞、文化庁メディア芸術祭優秀賞など、受賞多数。

セッション4[14:35~15:35]

UnityのAR/VRへの活用

2016年4月時点で世界のVRコンテンツの70%はUnityによって作られていると言われています。Unityはゲームエンジンとして普及しましたが、単純にゲームという枠を越えて建築や医療、ロボット、家電、メディアアート、学術など様々な場面で使われるようになりました。なぜUnityがそこまで普及したのか、実際にどのように使われているのかを実例を交えながら解説していきます。また、学術系のプロダクトでは高いグラフィッククオリティのデモなどを作成する機会はありませんが、現状の最高峰リアルタイムデモ技術を解説し、どの程度のレベルまで簡単に表現する事ができるのか実例を交えて解説します。

簗瀬 洋平様 講師:簗瀬 洋平(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 プロダクト・エヴァンジェリスト)
【略歴】ゲームデザイナー/シナリオライターとして「ワンダと巨像」「魔人と失われた王国」などのゲーム開発に携わる。その後、スクウェア・エニックスで開発者から研究職に転身。「誰でも神プレイ~」シリーズや「Strato Jump」など錯覚を利用した研究に取り組む。無限に歩けるVRシステム「Unlimited Corridor」で文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞受賞。

セッション5[15:45~16:45]

VRと文化資源と日常

歴史・文化的価値のある空間資源(建築物や町割り、街並み)を文化資源というが、近年の再開発に伴い、その社会的価値が理解・共有されずに建て替えなどで大きく失われつつある。一方で、バーチャルリアリティや拡張現実感(AR)技術は、臨場感の高さや直感的なわかりやすさから様々な分野への応用が期待されている。本講演では、VR/AR技術を利用して空間資源の保存と共有を実現し、地域内外での価値理解と地域活性化を促進する試みを紹介する。

谷川 智洋様 講師:谷川 智洋(東京大学 情報理工学系研究科 ソーシャルICT・グローバルクリエイティブリーダー育成プログラム 特任准教授)
【略歴】1997年東京大学工学部産業機械工学科卒業、1999年同大学大学院工学系研究科機械情報工学専攻修士課程修了、2002年同博士課程終了、博士号取得(博士(工学)、機械情報工学専攻)。2002年独立行政法人通信・放送機構研究員、2005年東京大学先端科学技術研究センター講師、2006年東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻講師、2016年同特任准教授。イメージベーストレンダリング、複合現実感技術、ソーシャルICT、多視点ディスプレイ、五感情報インタフェースの研究に従事。