イベント企画
未来を牽引するICT博士人材育成 第1部
博士教育リーディングプログラムの履修学生の声
9月13日(水) 9:30-12:00
第4イベント会場(2号館212号講義室)
【セッション概要】 「ここが良かった! こう変わった! ここを目指す!」
社会のイノベーションを牽引する人材に必要性が叫ばれている。6年目を迎えた博士教育リーディングプログラムは、他分野の仲間との繋がり、インターンシップによる社会体験等などを重視して俯瞰力を備えた未来のリーダー育成を目指している。履修生に専門分野の紹介に続いて、プログラムでの学びを通したリーダーへの決意などを語り合い、企業や後輩、そして仲間にメッセージを送る。
司会:細田 一史(大阪大学 未来戦略機構 特任准教授)
【略歴】 2002年大阪大学工学部卒業、2005年大阪大学情報科学研究科修了(情報修士)、2008年大阪大学生命機能研究科修了(工学博士)、2008~2013年大阪大学情報科学研究科特任助教、2013年~現在大阪大学未来戦略機構特任准教授。大阪大学ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラム教務委員長。生化学反応、進化、生態系などの生命ダイナミクスとこれを含む融合領域に関する実験的および理論的アプローチによる研究教育に従事。
司会:谷川 智洋(東京大学 大学院情報理工学研究科 特任准教授)
【略歴】 1997年東京大学工学部産業機械工学科卒業。1999年同大学大学院工学系研究科機械情報工学専攻修士課程修了。2002年同大学博士課程修了。同年通信・放送機構研究員。2004年組織変更により情報通信研究機構研究員。2005年東京大学先端科学技術研究センター講師。2006年同大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻講師、2016年同特任准教授、現在に至る。イメージ・ベースト・レンダリング、複合現実感に関する研究に従事。多数の展示やスマートフォンアプリを公開するなどデジタルミュージアムやライフログなどの積極的な社会展開も行っている。日本バーチャルリアリティ学会理事。
9:30-9:40 講演(1) ソーシャルICT
孫 小軍(東京大学 大学院知能機械情報学専攻 D2)
【私のリーダーへの原動力】 東京大学ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム(GCL)では、多分野の学生が参加しており、それぞれの専門性を持ち、コラボレーションすることによって、社会問題の解決に取り組んている。その中に、私はロボット義足を応用することによって、障がい者のモビリティを高めるロボット義足を開発している。多くの義足ユーザーを対象としたニーズ調査したうえで、ユーザーの抱える課題を解決できるものを作っている。社会イノベーションプロジェクトを通して、リーダーとして求めらているリーダーシップ、コミュニケーション力、行動力を発揮することによって、仲間同士を巻き込んで、チームで一緒にプロジェクトを加速している。世の中にないものを生み出し、イノベーションを起こしたいと思います。
【略歴】 2010年中国華中科技大学材料工学学科卒業。2009年交換留学生として来日。東京大学修士終了後、ソニー(株)に入社、電子プロダクトの開発設計に従事。2015年末ソニー(株)退職。同年より、東京大学ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム(GCL)のコース3年次として、博士後期課程に入学。2016年より、日本学術振興会特別研究員。障害者のモビリティを高めるロボット義足の開発に従事。アメリカSXSW Trend Showに開発中の義足プロトタイプを出展、SXSW Interactive Innovation Award Student Innovationを受賞。
9:40-9:50 講演(2) デザイン学
小山 純汰(京都大学 大学院情報学研究科社会情報学専攻 博士課程1年次)
【私のリーダーへの原動力】 デザイン学連携プログラムでは、分野に関わらず幅広い「知識」の獲得、研究活動によって高める「専門」、オープンイノベーションやワークショップ活動における「実践」、プロトタイピングによる「実現」といった主に4つの教育的側面から、専門領域を超えて協働できる突出した専門家である”十字型人材”の育成に取り組んでいると捉えており、この中でも特に「実践」と「実現」については本学特有の強みがあります。プログラムで学ぶ中で、私は特に近年モノの情報化の進展によって流動的な価値に支配される社会に向かいつつあることを意識し、「必要とされる価値を速やかに見出し、そのデザイン活動を調整でき、解を素早く実行し、手を動かしてそれを実現できる」ような人材になることを目指しています。
【略歴】 2017年京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻修士課程卒業。同年、同大学院同研究科博士課程入学。センサネットワークおよびサービスコンピューティング技術の統合による実世界コンピューティングやコンテキストアウェアネスの研究に従事。2015年からリーディング大学院プログラムであるデザイン学大学院連携プログラム(京都大学デザインスクール)に3期生として参加、デザインワークショップやオープンイノベーションの活動も行う。IEEE学生会員。
9:50-10:00 講演(3) ヒューマンウェアイノベーション
島谷 二郎(大阪大学 大学院基礎工学研究科システム創成専攻 博士後期1年)
【私のリーダーへの原動力】 他者との交流は、新しい視点と気付き、そして日々の活力を与えてくれる。それが個性と才能に溢れた同世代の研究者との交流であればなおさらだ。その意味で、情報・生命・認知の学生が一堂に会し、融合研究プロジェクトを行うことの出来るヒューマンウェアイノベーションプログラム(以下HWIP)は最高の環境だ。私は今、HWIPから予算を獲得し情報・生命系の学生と融合研究を行っているが、そこでは、分野が違うがゆえにメンバ同士の議論が噛み合わないことも少なくない。しかしそれは自身が無意識のうちに前提としていた事柄を疑い、より普遍的な論理を考える良いきっかけとなる。そうした体験は、自身の研究室にいただけでは得られ難いものであり、多様な人材が入り乱れて活躍し合う現代社会を生き抜く力となる。私の夢は情報技術を使って人同士のコミュニケーションをもっと円滑に、そして豊かにすることである。そのために、分野を越えた交流を苦労しつつも楽しんで行っている今の経験が生きると確信する。
【略歴】 2015年大阪大学理学部物理学科卒業。2017年大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻博士前期課程修了。現在、同大学院博士後期課程に在学中。知能ロボット学研究室(指導教員 石黒浩 教授)にて、自閉症者が不安や悩みを外在化しやすい環境構築のためのロボット利用に関する研究に従事。2015年より、ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラムに第三期生として参画。
10:00-10:10 講演(4) エンパワーメント情報学
糸井川 椋(筑波大学 大学院グローバル教育院エンパワーメント情報学プログラム 3年次)
【私のリーダーへの原動力】 「人の機能を補完し、人とともに協調し、人の機能を拡張する情報学」として、人の自立・自律を促し、支援することを通じ、人々の生活の質を向上させるための情報学として新たに体系化されるものが、「エンパワーメント情報学」である。
本プログラムでは「人をエンパワーする」システムを創出できる人材に必要な能力として、「分野横断力」、「魅せ方力」、「現場力」がある。芸術・ビジネス・医学・心理学などの高度専門科目により「分野横断力」、学生主体によるチーム研究、討議型演習、企業との共同研究、研究成果の社会実装に必要なビジネスモデル作成実習など、多様な学習・経験により、「魅せ方力」、「現場力」が醸成される。
これらから直接的・間接的に得られる能力や経験を踏まえ、分野横断的かつ高度な専門的・技術的知識を持つジェネラリストとして、個人および社会双方にとって、真に望ましい生活の質・心の豊かとは何か常に探求し、それらを「エンパワー」することが可能な社会システムを構築できる人材を目指す。
【略歴】 2015年筑波大学理工学群工学システム学類機能工学システム主専攻卒業。同年、筑波大学グローバル教育院エンパワーメント情報学プログラム入学(第2期生)、現在に至る。同大学システム情報系の音響システム研究室(指導教員:水谷教授)にて、人の生理情報を中心とした生体計測法、およびその応用に関する研究に従事。IEEE、日本機械学会、ライフサポート学会、各会員。
10:10-10:20 講演(5) 実世界データ循環学
橘川 雄樹(名古屋大学 大学院情報科学研究科情報システム学専攻 博士後期課程2年)
【私のリーダーへの原動力】 実世界データ循環学リーダー人材養成プログラムでは、データの取得・解析・実装という循環に着目し、実世界に存在する膨大なデータを取得・解析・実装し、新たな価値を創造することができる人材となることを目指している。私の研究分野である自動運転は、膨大なセンサデータを処理、解析し、車両を制御することが必要であり、まさにデータ循環に基づいたアプリケーションである。世界的に研究開発が活発である自動運転技術にデータ循環の視点を取り入れ、単なる研究、技術開発にとどまらず、世界中の人々に資する新たな価値を創造していくことが、私のリーダーへの原動力である。
【略歴】 2014年名古屋大学工学部電気電子・情報工学科卒業。2016年名古屋大学大学院情報科学研究科情報システム学専攻博士前期課程修了。現在同博士後期課程在学中。博士課程教育リーディングプログラム「実世界データ循環学リーダー人材養成プログラム」1期生。大学発ベンチャー(株)マップフォー代表取締役。自動運転の位置推定・地図作成技術に関する研究に従事。
10:20-10:30 講演(6) ブレイン情報アーキテクト
鈴木 雄太(豊橋技術科学大学 大学院情報・知能工学専攻 博士後期課程1年次)
【私のリーダーへの原動力】 「超大規模脳情報を高度に技術するブレイン情報アーキテクトの育成」プログラムでは、ゲノムから脳、個人・社会に至る多様な時空間スケールの脳情報に対し、センシングやシミュレーション技術を駆使して脳科学の様々な課題解決に直接結びつけるとともに、この脳に学んだ新しい原理を新規のエレクトロニクスデバイスや情報処理方式に展開できる能力をもつ人材を「ブレイン情報アーキテクト」と呼び,このような世界の産業界や学界で活躍できるブレイン情報アーキテクトを育成することを目的としています。プログラムの特色であるグローバル・サマースクールや異分野融合ならびにアカデミア・産業界連携による多角的な教育のもとで,私は先端情報エレクトロニクスにより脳科学を深化させ、また脳に学んだ革新的テクノロジーを生み出すことができる技術系研究者を目指しています。
【略歴】 2013年仙台高等専門学校情報通信工学科卒業。2015年豊橋豊橋技術科学大学情報・知能工学科卒業。2017年同大学院情報・知能工学専攻博士前期課程修了。現在、同大学院博士後期課程在学中。豊橋技術科学大学リーディングプログラム「ブレイン情報アーキテクトの育成」第二期生。ヒトの視覚認知に関して、行動や神経生理学的手法を基にした研究に従事。Vision Sciences Society会員。
10:30-10:40 講演(7) 実体情報学
具島 航太(早稲田大学 基幹理工研究科情報理工・情報通信専攻 博士課程前期2年)
【私のリーダーへの原動力】 実体情報学プログラムでは「イノベーションを見出す先見力、幅広い分野の先端技術をインテグレーションする構想力、リーダーシップを発揮する突破力の3つの力を兼ね備えた人材」の育成を目指しています。実体情報学のカリキュラムに組み込まれているサマースクールでは、静岡県の天竜地域の林業を見学、体験を行う「やまスクール」があります。普段都市部で暮らしている私にとっては、この体験は非常に新鮮かつ学びの多いものであり、上記の3つの力を高めることができたと感じています。やまスクールからは、地方には疎化や限界集落の増加を感じ、一方の都市部にも伝統や地域社会の喪失といった課題があるのだと、体験することで知ることができたことが多くありました。私はこのような社会問題を先見力、構想力、突破力の3つの力をより高めていくことで解決できる人材になりたいと考えています。
【略歴】 2016年早稲田大学基幹理工学部情報理工学科卒業。2016年度同大学院基幹理工学研究科情報理工・情報通信専攻入学、現在博士前期課程2年として在学中。2016年度より早稲田大学博士課程教育リーディングプログラム実体情報学博士プログラム」に在籍。HCI、ヒューマンコンピューテーションの分野で、「小規模コミュニティの活動を活性化する情報システム基盤」についての研究に従事。
10:45-12:00 パネル討論 ここが良かった! ここが違う! ここを目指す!
パネリスト:孫 小軍(東京大学 大学院知能機械情報学専攻 D2)
【略歴】 2010年中国華中科技大学材料工学学科卒業。2009年交換留学生として来日。東京大学修士終了後、ソニー(株)に入社、電子プロダクトの開発設計に従事。2015年末ソニー(株)退職。同年より、東京大学ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム(GCL)のコース3年次として、博士後期課程に入学。2016年より、日本学術振興会特別研究員。障害者のモビリティを高めるロボット義足の開発に従事。アメリカSXSW Trend Showに開発中の義足プロトタイプを出展、SXSW Interactive Innovation Award Student Innovationを受賞。
パネリスト:小山 純汰(京都大学 大学院情報学研究科社会情報学専攻 博士課程1年次)
【略歴】 2017年京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻修士課程卒業。同年、同大学院同研究科博士課程入学。センサネットワークおよびサービスコンピューティング技術の統合による実世界コンピューティングやコンテキストアウェアネスの研究に従事。2015年からリーディング大学院プログラムであるデザイン学大学院連携プログラム(京都大学デザインスクール)に3期生として参加、デザインワークショップやオープンイノベーションの活動も行う。IEEE学生会員。
パネリスト:島谷 二郎(大阪大学 大学院基礎工学研究科システム創成専攻 博士後期1年)
【略歴】 2015年大阪大学理学部物理学科卒業。2017年大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻博士前期課程修了。現在、同大学院博士後期課程に在学中。知能ロボット学研究室(指導教員 石黒浩 教授)にて、自閉症者が不安や悩みを外在化しやすい環境構築のためのロボット利用に関する研究に従事。2015年より、ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラムに第三期生として参画。
パネリスト:糸井川 椋(筑波大学 大学院グローバル教育院エンパワーメント情報学プログラム 3年次)
【略歴】 2015年筑波大学理工学群工学システム学類機能工学システム主専攻卒業。同年、筑波大学グローバル教育院エンパワーメント情報学プログラム入学(第2期生)、現在に至る。同大学システム情報系の音響システム研究室(指導教員:水谷教授)にて、人の生理情報を中心とした生体計測法、およびその応用に関する研究に従事。IEEE、日本機械学会、ライフサポート学会、各会員。
パネリスト:橘川 雄樹(名古屋大学 大学院情報科学研究科情報システム学専攻 博士後期課程2年)
【略歴】 2014年名古屋大学工学部電気電子・情報工学科卒業。2016年名古屋大学大学院情報科学研究科情報システム学専攻博士前期課程修了。現在同博士後期課程在学中。博士課程教育リーディングプログラム「実世界データ循環学リーダー人材養成プログラム」1期生。大学発ベンチャー(株)マップフォー代表取締役。自動運転の位置推定・地図作成技術に関する研究に従事。
パネリスト:鈴木 雄太(豊橋技術科学大学 大学院情報・知能工学専攻 博士後期課程1年次)
【略歴】 2013年仙台高等専門学校情報通信工学科卒業。2015年豊橋豊橋技術科学大学情報・知能工学科卒業。2017年同大学院情報・知能工学専攻博士前期課程修了。現在、同大学院博士後期課程在学中。豊橋技術科学大学リーディングプログラム「ブレイン情報アーキテクトの育成」第二期生。ヒトの視覚認知に関して、行動や神経生理学的手法を基にした研究に従事。Vision Sciences Society会員。
パネリスト:具島 航太(早稲田大学 基幹理工研究科情報理工・情報通信専攻 博士課程前期2年)
【略歴】 2016年早稲田大学基幹理工学部情報理工学科卒業。2016年度同大学院基幹理工学研究科情報理工・情報通信専攻入学、現在博士前期課程2年として在学中。2016年度より早稲田大学博士課程教育リーディングプログラム実体情報学博士プログラム」に在籍。HCI、ヒューマンコンピューテーションの分野で、「小規模コミュニティの活動を活性化する情報システム基盤」についての研究に従事。