抄録
K-016
音響ペンによる視覚障碍者の書筆位置追跡の実験
巽 久行(筑波技術大)・村井保之(日本薬科大)・関田 巌・宮川正弘(筑波技術大)
視覚障碍者がペンを使って文字を書くのは難しい。単純に見えないからという理由だけでなく,ペンの軌跡が分からないからである。本研究はペンの移動が音色で分かるような,視覚障碍者のための音響ペンの報告である。考察している音響ペンの定位感は,電子ペンの筆位置情報をもとにPC音源で疑似生成した音色であり,耳で聞く環境音などの聴覚情報を邪魔しないように,その疑似音は骨伝導ヘッドホンで聞くことを想定している。ペンの移動方向を音色で確認しながら書くことで,簡単な文字ならば訓練次第では、より短時間で上手に可読できる文字を書くことが期待できる。我々は最終的に,簡易な書画訓練シミュレータとしての利用を目標としている。