抄録
J-014
手帳かスマホか? 使用メディアによる認知処理の差
梅島奎立(東大)・茨木拓也・山﨑崇裕(NTTデータ経営研)・酒井邦嘉(東大)
手帳やスマホという使用メディアの違いによって認知的な処理に差が出るかどうかを検証するため、手帳使用群とスマホ使用群(大学生各20名)に対してスケジュールの記憶課題を課した。記銘と再認の間に行う妨害課題として、物語を聞きながらそれぞれ同じ手帳とスマホでメモを取らせ、内容について質問した。その結果、記憶課題と妨害課題の両方において、手帳群の方がスマホ群よりも有意に高い成績を示した(t検定、それぞれ p < 0.005, p < 0.001)。両群の違いは日付などの記憶だけでなく、項目間の構造化でも見られた。以上の結果から、情報の記銘及び構造的理解は、インターフェース(入力の様式)による影響を多分に受けることが示唆される。