抄録
I-002
平均値分離型三次元ST-DFT係数の確率分布モデルパラメータの推定と動画像復元への応用
○小松 隆・齊藤隆弘(神奈川大)
静止画像処理に対しては,2次元DFTと2次元DCTとは互いに似た特性を示すが,動画像処理に対しては, 3次元DFTは3次元DCTよりもより有効な変換となる.
3次元ST-DFTは3次元DFTのブロック境界付近で生じるひずみの発生を抑制する有効な手段である.
筆者らは先に,3次元ST-DFTの動画像信号に対する表現効率をより高めるため,局所平均値分離を用いた3次元ST-DFT方式を提案し,動画像復元のためには3次元DCTよりもより有効であることを示した.
本稿では,平均値分離型3次元ST-DFTにより得られる交流変換係数の実部と虚部の分布を2次元混合型球対称ガウス分布としてモデル化し,実際の動画像データを対象として,このモデルパラメータの推定と復元実験を行った.