抄録
H-003
モルフォロジー演算と顔検出を用いたマンガ内文字領域検出精度の評価
中川 諒・梅澤 猛・大澤範高(千葉大)
マンガ画像からの文字領域検出においては、誌面構成の特性や線画と文字の混在のため、従来の一般的な文字検出手法では十分な精度が得られない。連結成分を用いた検出手法が提案されているが、背景中の極細な連結成分と顔パーツの成分を頻繁に誤検出してしまう。そこで、モルフォロジー演算と顔検出を用いた誤検出軽減手法を提案する。モルフォロジー演算では極細な連結成分を結合させることにより、顔検出では顔と判断された領域内の連結成分を文字の対象としないことによって誤検出の軽減が期待できる。マンガ5作品を対象とした評価実験を行い、使用したすべてのマンガ画像において精度の向上を確認し、F尺度は最大で0.052向上する結果を得た。