抄録
G-012
腕時計型脈波計を用いた睡眠時の心拍変動推定アルゴリズムの開発
吉田 豊・湯田恵美・早野順一郎(名古屋市大)
社会の高齢化に伴い,医療の使命は寿命の延伸から健康寿命の延伸にパラダイムシフトしている。健康寿命の延伸は,予防,治療といった従来の医療だけでなく,日常生活の自己健康管理が必要である。これには身体機能や活動度の変調を把握するセルフ・モニタリングが効果的である。著者らは,知の拠点・あいち重点研究プロジェクト(2010年~2015年)において腕時計型脈波・活動量モニタリング装置を開発した。そこで本研究では,体動によるノイズが少ない終夜睡眠中の脈波から,R-R間隔,VLF,LF,HFを推定するアルゴリズムを開発して,アルゴリズムの推定精度について述べる。脈波から計算された心拍変動パラメータとホルター心電計から測定された心拍変動パラメータと比較した結果,R-R間隔,VLFパワーおよびLFパワーが精度良く推定できる結果となった。