抄録
F-013
組み込みシステム向け異常検知方式
中川慎二(日立)
機械学習を用いた異常検知が,近年,注目されている.従来の異常検知方式は,比較的規模の大きなシステムに適用されてきたが,今後,IoT(Internet of Things)の普及,自動運転車に代表される端末での処理高度化などを背景に,エッジでの異常検知のニーズが高まる.
本発表では,組み込み制御システムへの適用を想定した異常検知方式を提案する.正常データを用いて,クラスタリングを行い,各クラスタで構成される空間を超直方体で近似表現する.各超直方体を組み合わせて,正常空間全体を近似表現する.新たな検知対象のサンプルが得られたとき,サンプルが距離の意味で最も近い中心ベクトルに対応する超直方体内にサンプルがあるか否かで外れ値異常検知を行う.また,サンプルが距離の意味で最も近い中心ベクトルでサンプルを代表し,中心ベクトルの遷移パターンを用いて,サンプルの遷移異常を簡易的に検出する.実システムを対象に本異常検知方式を評価した結果についても述べる.