抄録
E-006
感情極性の確率推定を用いたテキストからのマルチラベル感情認識
村松嶺佑・堂坂浩二(秋田県大)
本論文では,日本語文から複数の感情を認識するマルチラベル感情認識手法を提案する.感情の分類には,Plutchikの8分類(喜び,悲しみ,怒り,怖れ,受容,嫌悪,驚き,予期)を利用し,1つの文に対して複数の感情を認識する.提案手法は2段階で感情認識を行う.第1段階では,まず文の感情極性(ポジティブ,ネガティブ,ニュートラル)の認識を行い,感情極性の確率推定を出力する.第2段階では,第1段階により出力された感情極性の確率推定の結果を素性として用い,複数感情の認識を行う.ベースラインと従来法の2つの感情認識モデルと比較したところ,提案法は,驚き,予期以外の感情で有意に高い認識正解率となった.