抄録
D-018
OpenStackのオブジェクトストレージへのコールドストレージ機能拡張に関する設計と実装
吉田武俊(富士通研)・中尾鷹詔(富士通クラウドテクノロジーズ)・宮前 剛(富士通研)
大容量データの長期保存のニーズが高まり、アクセス遅延が大きい代わりに非常に安価な「コールドストレージ」が注目されている。我々は、OpenStackのオブジェクトストレージ (Swift) でコールドストレージを利用可能にした。既存のSwiftは遅延が大きなストレージを想定しておらず、コールドストレージへのアクセスで API のタイムアウトが発生しアプリが正常に動かない。そこで、SwiftのAPIを拡張し、低遅延と高遅延のストレージ間でオブジェクトを移動するAPIを追加した。実装時の課題として、オブジェクトの移動と更新が重なるとデータロスが発生し得ることが分かった。状態と属性の一貫性を保つために排他制御を導入する必要があった。本稿では、これらの設計と実装を述べる。