抄録
CC-001
完全2値化畳み込みニューラルネットワークについて
下田将之・藤井智也・米川晴義・佐藤真平・中原啓貴(東工大)
画像識別等の組込み機器では学習済み畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network) の識別高速化と低消費電力化が求められている. CNNの演算の90%以上は2次元畳み込みであり, 主に積 和 (MAC: Multiply-Accumulation) 演算である. 従って外部メモリとのデータ削減と積和演算回路の削減が必要である. 近年, CNN の入力値と重みを 2 値 (-1/+1) に制限した 2 値化 CNN が提案されている. しかし, 提案された手法では入力層への入力値は依然整数値のままであった. 本稿は入力層の入力値も同様に 2 値化を行い, 既存の 2 値化 CNN や, 整数精度のCNNと比較を行った. 提案する 2 値化 CNN は, 2次元畳み込みを行う際の整数精度の積和演算回路が不要なため, 回路規模をさらに抑えることができる.