抄録
CA-003
数理モデルによるアメリカ大統領選挙の分析
寺田知旦・平田 均・矢入郁子(上智大)
2016年アメリカ大統領選挙において、世論調査やテレビ討論会で優位に立っていたのはヒラリー陣営だったが、実際に選挙で勝利したのはトランプ陣営だった。多くの世論調査と異なる投票結果になったこの政権交代は「トランプ現象」と呼ばれ、日本でも連日メディアを賑わせる話題となった。この現象が起きた理由を考えることは社会的に重要な課題であり、その課題の解決には集団心理の数理モデルによる解析が不可欠である。本稿では支持者の実数と世論調査の乖離がなぜ起こったのか、実際のデータを元に、集団心理のダイナミクスに関する各種数理モデルを用いて検証する。