抄録
C-017
シミュレーションを用いた回路故障発生時の車載制御ソフトウェア検証環境
中尾将吾・兵頭章彦・勝 康夫(日立)
近年、自動車向け機能安全規格ISO26262の制定に伴い、車載組込みシステムの安全性検証の重要度が増してきている。検証工数と試作コストの削減を目的に,電子制御ユニットECUの電子部品の電気的故障をトランジスタレベルでモデル化し,故障時の影響を解析するFMEAをシミュレーションで実現するvirtual FMEAを提案する。本稿では、マイコンと回路とメカとの連成シミュレーション技術を開発し、さらに回路モデルの素子値を動的に変更可能な故障注入技術を開発した。本技術を、電動パワーステアリングシステムに適用したところ、実機では実現が困難であった、回路素子値が中間値に遷移するドリフト故障時において、システムのモータ動作への影響を解析できた。