抄録
A-012
発振回路の相互結合で起こる同期現象の解析
河野良介(同志社大)
方形波発振器に,受光素子と発光素子を付加させた発振回路がある.この発振回路を光によって結合させることで,発光の点滅に同期現象がみられる.さらに,3つの発振回路を結合させることで,同期の状態が継続されるのではなく,同期の状態が移り変わることから,この現象は多重安定性を持つことが判っている.私は,この現象を人間の脳における情報伝達回路網に類似していると考えている.多重安定性を解析するにあたり,モデリング・シミュレーションソフトであるMapleSimで現象のシミュレーションを行うことで,数理モデルの作成や解析を進めている.本研究会では,MapleSimを用いた発振回路の相互結合で起こる同期現象の解析を報告する.