抄録
A-001
確率微分方程式のモデル推定の双対性に基づいた数値計算法の提案
荒井祐樹・大久保潤(埼玉大)
時系列データの次の時刻の状態を予測する方法の一つに,確率的なモデルに従ってデータが生成されていると仮定し,そのモデルを説明できるパラメータを推定するという方法がある.ここでは,生成データの元となっているモデルが確率微分方程式であると仮定して,最適なパラメータを探すことを考える.この際にフォッカー・プランク方程式を用いた時間発展から得られる条件付きモーメントに基づく方法があるが,この方法では数値計算を行う際に,多大な計算時間が必要になってしまうという問題点がある.この問題点を解決するために,フォッカー・プランク方程式の双対性を利用した,大幅な計算時間の削減方法を提案する.