FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
イベント企画
Real Estate Tech:不動産×IT ~ITが拓く不動産の未来~
9月8日(木) 9:30-12:00
第3イベント会場(共通教育棟A棟2階A23)
【セッション概要】 金融×ITを意味するFinTechという造語に続き、不動産とITとの融合を表す「Real Estate Tech(不動産テック)」という言葉が注目を集めている。また、不動産情報自体、クローズで体系化されていないデータであったものが、昨年NIIより全国約533万件の賃貸物件を網羅した「HOME'Sデータセット」が公開され、大きな反響を呼んでいる。本企画では、不動産情報処理に関わる企業と研究者の事例紹介を行う。
司会:山崎 俊彦(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
【略歴】 1999年東京大学工学部電子工学科卒業。2004年同大学工学系研究科電子工学専攻修了。博士(工学)。現在、同大学情報理工学系研究科電子情報学専攻准教授。ビッグ・マルチメディア・データを用いた「魅力工学」という新たな分野を研究すると共に、物体認識、パターン認識、機械学習、3次元映像処理などに従事。
9:30-9:40 開会のご挨拶、企画の趣旨説明
山崎 俊彦(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
【略歴】 1999年東京大学工学部電子工学科卒業。2004年同大学工学系研究科電子工学専攻修了。博士(工学)。現在、同大学情報理工学系研究科電子情報学専攻准教授。ビッグ・マルチメディア・データを用いた「魅力工学」という新たな分野を研究すると共に、物体認識、パターン認識、機械学習、3次元映像処理などに従事。
9:40-10:00 講演(1) 「HOME'Sデータセット」提供を通じた不動産領域におけるオープンイノベーション促進の取り組み
清田 陽司(株式会社ネクスト グループ経営戦略部R&Dユニットリッテルラボラトリーグループ 主席研究員)
【概要】 不動産という商品は、他の商品とは大きく異なるいくつかの特徴がある。(1)全く同じ属性をもつ商品は二つとして存在しない (2)日常的に探す商品ではないため、ユーザー行動履歴データが限られている (3)ユーザーが決断までに長い時間をかける、などの特徴のため、他の商品で成果をあげている協調フィルタリングなどの手法も効果は限定的である。「HOME'Sデータセット」は、不動産領域の研究を活性化することを主な目的として、2015年11月より国立情報学研究所 情報学研究データリポジトリにて提供している。「HOME'Sデータセット」には約533万件の賃貸物件データと、それに紐付く約8300万点の物件画像データが含まれ、深層学習など最先端の機械学習研究に利用可能な研究資源として注目されている。本講演では、ネクストでの深層学習適用の取り組みを紹介するとともに、不動産領域特有の研究課題をいくつか提示したい。
【略歴】 2004年京都大学大学院情報学研究科博士課程修了。2004年から2012年まで東京大学情報基盤センター 助手・助教・特任講師。2007年に東京大学発ベンチャー(株)リッテルの創業に関わり、Hadoopベースのビッグデータ処理技術のビジネス展開などに取り組んだ。2011年より(株)ネクスト リッテルラボラトリーにて、住まい探しユーザーをターゲットとした情報レコメンデーションや画像解析の研究に従事している。人工知能学会編集委員、WebDB Forum産学連携幹事、IEEE DSAA'2017 Sponsorship co-chair。博士(情報学)。
10:00-10:20 講演(2) SUUMOでの分析事例と不動産データ活用の未来
野村 眞平(株式会社リクルート 住まいカンパニー グループマネージャー)
【概要】 リクルート住まいカンパニーでは、データの蓄積・管理・分析の重要性は高まっており、蓄積したログデータを活用したサービス強化への取り組みを続けている。本イベントでは、これまで取り組んできた弊社のデータ活用の事例を交えつつ、今後の展望についても紹介する。
【略歴】 2012年リクルート入社、その後分社化によりリクルート住まいカンパニーに転籍。リコメンデーションや査定システムなど、SUUMOの分析案件を推進。データソリューショングループのマネージャーとして、要件定義から分析・実装まで住まいのデータ活用に従事している。
李 石映雪(株式会社リクルート 住まいカンパニー チームリーダー)
 
10:20-10:40 講演(3)
小川 泰平(株式会社ietty 代表取締役社長)
【略歴】 2006年青山学院大学法学部卒。2006年住友不動産株式会社入社後、事業用地の取得、開発企画、営業企画、広告企画等を担当。2012年株式会社iettyを創業。
10:40-11:00 講演(4) 通行量センシングに基づく飲食店向き不動産店舗の賃料推定
諏訪 博彦(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 助教)
【概要】 飲食店向き不動産店舗の賃料は、営業の勘と経験、貸主の意向などで決定されている。正しい賃料設定がなされない場合、借り手がつかなかったり、相場よりも安い価格で貸し出したりすることとなる。そのため、適切な賃料推定が重要となる。しかしながら、飲食店舗向き不動産店舗の賃料は、最寄駅からの距離や階数、店舗前の通行量など、その条件により大きく異なる。特に、通行量は飲食店舗の売上げに影響を及ぼす要因として重要であるが、これまで店舗ごとの通行量を取得することは時間やコストの面で困難であった。そのため、営業マンの感覚に基づく通行量のボリューム感を用いて、賃料推定を行っていた。この決定方法では、営業マン毎の差異や新人営業マンが判断できないなどの問題があった。そこで我々は、通行量センサを用いたセンシングシステムを開発し、そのデータに基づく賃料推定手法を提案している。本講演では、開発したセンサとそれに基づく賃料推定手法について紹介する。
【略歴】 1998年群馬大学社会情報学部卒業。2006年電気通信大学大学院情報システム学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。2014年10月より奈良先端科学技術大学院大学助教。社会情報システム学・ユビキタスコンピューティングシステムに関する研究に従事。
11:00-11:20 講演(5) 街の雰囲気的な情報の可視化
宮部 真衣(和歌山大学 システム工学部 講師)
【概要】 建築・都市領域では、建物や樹木のような個別の要素を越えた、我々の把握することがらの漠然とした全体性を指す「様相(modality)」という概念が提唱されている。様相に関する情報は、観光や都市設計などの様々な場面で有用となる。個々人の好みといった漠然とした感覚も、様相概念によって取り扱うことができ、街の様相を記録することができれば、一般の人々にとって有用な情報として用いることができる。100ninmapプロジェクトでは、情報処理技術を用いて街の様相記録(人が様相について記述したテキスト)を収集する試みとして、街歩きイベント「100人でつくる京都地図」を実施してきた。本講演では、街歩きによる街の雰囲気に関する情報の収集および可視化について紹介する。
【略歴】 2006年和歌山大学システム工学部デザイン情報学科中退。2008年和歌山大学大学院システム工学研究科システム工学専攻博士前期課程修了。2011年和歌山大学大学院システム工学研究科システム工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。同年東京大学知の構造化センター特任研究員。2013年京都大学学際融合教育研究推進センター特定研究員。2015年和歌山大学システム工学部講師。現在に至る。コミュニケーション支援、ソーシャルメディア分析に関する研究に従事。
11:20-11:40 講演(6) 間取りに基づく物件検索
山崎 俊彦(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
【概要】 従来の不動産検索システムは、希望する路線や駅を指定し、その他例えば駅からの距離や物件の広さ、家賃、設備などに条件をつけて候補を絞り込んでいくタイプが殆どである。それに対し、我々は間取り・レイアウトの条件をグラフとして表現し、それをクエリとして物件を検索するシステムを構築している。ユーザに直接グラフを描画させる以外にも、例えば数点の間取り例をユーザに表示し、それに対する「好き・嫌い」などのフィードバックからユーザが求めている物件を表示するシステムも実現できる。その他、物件の各種属性情報から賃貸物件の家賃を予測する研究や、家賃決定要因の解析、センサを用いた物件の住み心地定量化などを行っている。本発表ではこれまでの取り組みの幾つかについて紹介する。
【略歴】 1999年東京大学工学部電子工学科卒業。2004年同大学工学系研究科電子工学専攻修了。博士(工学)。現在、同大学情報理工学系研究科電子情報学専攻准教授。ビッグ・マルチメディア・データを用いた「魅力工学」という新たな分野を研究すると共に、物体認識、パターン認識、機械学習、3次元映像処理などに従事。
11:40-12:00 質疑応答およびパネル討論
司会:山崎 俊彦(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
【略歴】 1999年東京大学工学部電子工学科卒業。2004年同大学工学系研究科電子工学専攻修了。博士(工学)。現在、同大学情報理工学系研究科電子情報学専攻准教授。ビッグ・マルチメディア・データを用いた「魅力工学」という新たな分野を研究すると共に、物体認識、パターン認識、機械学習、3次元映像処理などに従事。
パネリスト:清田 陽司(株式会社ネクスト グループ経営戦略部R&Dユニットリッテルラボラトリーグループ 主席研究員)
【略歴】 2004年京都大学大学院情報学研究科博士課程修了。2004年から2012年まで東京大学情報基盤センター 助手・助教・特任講師。2007年に東京大学発ベンチャー(株)リッテルの創業に関わり、Hadoopベースのビッグデータ処理技術のビジネス展開などに取り組んだ。2011年より(株)ネクスト リッテルラボラトリーにて、住まい探しユーザーをターゲットとした情報レコメンデーションや画像解析の研究に従事している。人工知能学会編集委員、WebDB Forum産学連携幹事、IEEE DSAA'2017 Sponsorship co-chair。博士(情報学)。
パネリスト:野村 眞平(株式会社リクルート 住まいカンパニー グループマネージャー)
【略歴】 2012年リクルート入社、その後分社化によりリクルート住まいカンパニーに転籍。リコメンデーションや査定システムなど、SUUMOの分析案件を推進。データソリューショングループのマネージャーとして、要件定義から分析・実装まで住まいのデータ活用に従事している。
パネリスト:小川 泰平(株式会社ietty 代表取締役社長)
【略歴】 2006年青山学院大学法学部卒。2006年住友不動産株式会社入社後、事業用地の取得、開発企画、営業企画、広告企画等を担当。2012年株式会社iettyを創業。
パネリスト:諏訪 博彦(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 助教)
【略歴】 1998年群馬大学社会情報学部卒業。2006年電気通信大学大学院情報システム学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。2014年10月より奈良先端科学技術大学院大学助教。社会情報システム学・ユビキタスコンピューティングシステムに関する研究に従事。
パネリスト:宮部 真衣(和歌山大学 システム工学部 講師)
【略歴】 2006年和歌山大学システム工学部デザイン情報学科中退。2008年和歌山大学大学院システム工学研究科システム工学専攻博士前期課程修了。2011年和歌山大学大学院システム工学研究科システム工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。同年東京大学知の構造化センター特任研究員。2013年京都大学学際融合教育研究推進センター特定研究員。2015年和歌山大学システム工学部講師。現在に至る。コミュニケーション支援、ソーシャルメディア分析に関する研究に従事。