FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
RN-004
刑事訴訟におけるデジタル・フォレンジックツールの課題 ~アメリカの判例と動向を手がかりに~
前田恭幸・湯淺墾道(情報セキュリティ大)
 近年、デジタル・フォレンジックは様々な課題に対して、専門知識のない解析者でも使用することができる自動化したツールで対処することも多く、ツールへの依存が高まっている 。そういったツールに依存することによる課題を調査した。しかし、日本の公判審理において解析結果自体が争点になる判例はきわめて少ないのが現状であり、判例を通じて検討することが困難である。
 これに対してアメリカにおいては、世界中で使用されているEnCaseを含めて、ツールに関係して多くの判例がある。このため本稿では、公判審理における証明力の確保という観点から、アメリカにおけるツールに関する判例の動向を検討して、日本の将来の課題への示唆について考察した。その結果、日本の刑事訴訟におけるツールの具体的な課題として3点を明らかにした。