FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
RF-004
銀行間取引ネットワークモデルを考慮した銀行破綻連鎖の分析
橋本守人・倉橋節也(筑波大)
金融機関における連鎖破綻リスクを回避するため,システミックリスクに関する資金取引ネットワークの研究が,欧州を中心にグローバルで活発に行われてきている.本研究では,Erdos-Renyi ネットワークで構成した銀行間資金取引ネットワークモデルを構築し,ネットワーク特性を考慮することで,最小限のコストで破綻の連鎖を低減するための方策を検証する.エージェントベースモデリングを用いて検証を行った結果,破綻の連鎖を止める目的で実施する資金援助が,結果的に連鎖を増加させてしまう場合があること,また資金援助を実施する金融機関の選定には,ネットワーク特性を考慮した機械学習(Random Forest 法や深層学習)が効果的であることが示された.