FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
O-043
韓国におけるサイバーセキュリティ政策の変化と社会環境への影響に関する考察
趙 章恩(東大)
2003年1月25日、通信キャリアを対象にしたハッキング攻撃により全国のインターネットがつながらなくなる事件を経験してから、韓国政府は国家危機管理の一環としてサイバーセキュリティの重要性を認識し、国家サイバー安全管理規定を制定、国家サイバー安全センターとインターネット侵害事故対応センターを設立した。
それからスマートフォンの普及、既存の産業とICTの融合によるスマートホーム・スマート教育・スマートヘルスケアなど新しいサービスの登場といった社会環境の変化の中でサイバーセキュリティ政策も変化し続けた。韓国政府は2016年5月「K-ICT融合セキュリティ発展戦略」を発表した。社会環境を守るためのサイバーセキュリティ政策から、サイバーセキュリティ産業そのものを育て、韓国を代表する産業として海外輸出を促進する政策に変化したという特徴もある。
本稿では韓国におけるサイバーセキュリティ政策の変化を分析し、サイバーセキュリティ政策と社会環境の変化がお互いに与えた影響に関して分析する。