FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
K-049
聴覚過敏を伴う自閉症スペクトラム障害の問題解消に向けた個人適応型アプローチの提案
市川 樹・大村吉幸・熊谷晋一郎・國吉康夫(東大)
自閉症スペクトラム障害(ASD)では健常者に比べ聴覚が過敏となり生活に支障が出る場合がある.聴覚特性は個人で異なる為こうした問題に対処するには個人毎の特性に適応する手法を要すると考えられる.本研究では個人毎に聴覚器官の特性である耳小骨筋反射の発生音圧を測定しその結果から音声刺激を調整する音声フィルタを作成することを提案する.ASD患者に対しこの手法を実施した上で音声刺激を提示し,感じたうるささの評価を集計した.それらを音声刺激の要素から求めるモデルを作成した結果,被験者全体のモデルに比べ個人毎のモデルが関係性をより良く説明しASDの聴覚の問題に対し個人適応型の手法が有効であることが示唆された.