FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
K-047
エネルギー変換効率を指標とした小型歩容解析システムの検討
稲垣 潤・春名弘一・昆 恵介・本郷節之・岡崎哲夫(北海道科学大)
脳血管障害等を原因とする中枢神経疾患患者の歩容の特徴として,身体合成重心(COG)のエネルギー変換の不足に伴う歩行速度の低下や安定性の欠如等が挙げられる.従って,リハビリテーションの評価ではエネルギーコストを評価基準とすることが有用であるが,この測定には大規模かつ高価な三次元動作解析装置を用いるより手立てがなく,医療機関への導入に際しては大きな障壁となっている.そのため医療関係者の経験や勘といった主観的評価に頼らざるを得ないのが現状である.
本稿では,臨床場面における客観的評価の導入を目標とし,歩行過程におけるエネルギー変換効率を指標とした小型で安価な歩容解析システムの開発について検討を行う.具体的には,人体の関節を含む各部位の三次元座標を簡便に取得可能なKinectセンサを用いてCOG座標を抽出し,これを用いてエネルギー変換効率を算出した上で歩行評価を患者にリアルタイムにフィードバックすることを目指す。