FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
J-051
フリーハンドで描かれた正方形は横長になることについて
矢内浩文・尾崎 結(茨城大)
現代若者の図形的感覚を調べる目的で,大学生および高校生からなる実験協力者に1辺が2センチメートルの正方形をフリーハンドで描くよう依頼した.その結果,辺の長さの平均は,おおよそ1.6センチメートルであった.また,横と縦の長さを比較したところ,横の方が縦よりも有意に長かった.この結果は,部分的には,水平垂直錯視の代表例であるフィック錯視の効果(同じ長さの線分で構成された逆T字で,水平線が垂直線よりも短く見える)を相殺する行動と捉えることも可能であろう.しかしながら,フィック錯視図形を90度回転させた場合には,逆に,水平線の方が長く見えることから,この解釈は不完全である.結果の解釈は今後の課題である.